2017年5月24日水曜日

決め手は何? 海外赴任と子どもの学校選び

当ブログでは、「世界で見つける子育てのヒント」というテーマでいろいろな話題を取り上げさせていただいています。その中でも、海外赴任時の子どもの学校選びについて、時々お問い合わせいただくことがあります。

私自身も悩んできたのでよくわかります。日本に住んでいた時、子どもの教育といったら、近所の保育園で受け入れてもらえるところ、小学生になったら住んでいる学区域の小学校へ、ということくらいしか考えたことなかった私にとって、海外への引っ越しは、子どもの教育が大きな問題になりました。我が家の場合、日系の幼稚園や日本人学校、現地の学校にインターナショナルスクール、といろいろな選択肢があることは、うれしいというより、悩ましいばかりでした。


ある手厳しい一言

教育の選択で何がベストなのかは、その子自身の性格や年齢、住む地域の環境、赴任期間などなど、その子自身の置かれた状況によって、全く違うと思います。誰かの経験に当てはめて決められないのですが、いろいろな人の経験を聞くことでわかってくることもあります。私もいろいろな方の体験談を聞きました。

その中で、私がとても考えさせられた一言があります。

「自分の子どもを落ちこぼれにしたくなかった。」

だから、小学校1年生から日本人学校に入れることを選んだ、とその方は続けて言いました。

現地校やインターに入ると、学校の使用言語ができるようになるまでは授業の内容もわからない「落ちこぼれ」になり、苦労することになる。それだけでなく、日本に帰国し、日本の学校教育に戻った時、また「落ちこぼれ」になる可能性は高い。語学ができるようになるから、と選択をするのは安易だと思う。第一言語である日本語をまずはしっかり身に付けてることは大切だし、日本の学校の勉強だって甘くはない。

そういう意味だったようです。

「落ちこぼれ」覚悟?

確かに本当に優秀な子もいて、現地校で飛び級するほど優秀、日本の学校の勉強もちゃんとできる、という子もいましたし、平日現地校から帰ってきたら日本の塾、通信教育もこなして、ものすごく努力をしている子も見たことがあります。

我が家は、といえば、正直なところ、どちらも中途半端だと思います。小学校3年生の上の子が、もし今日本で小学校に入ったら、多分授業についていくのに精一杯で、とてもではないけれど、良い成績は取れないと思います。だからといって、英語ができるかといったら、そうでもありません。ちゃんと通用する英語ができるようになるには、子どもの間だけでなくもっと大きくなるまで勉強しないと身に付きそうにもありません。

確かに、私の子どもは、ある意味、落ちこぼれを経験してきていると思います。そういう遠回り、日本にいたらしなくてもいい苦労を経験することが子どもにとって何を意味するのか、この方の言っていたことは手厳しいですが、的を射ていたと今になって思います(ご自身もいろいろ思うところはあったのでしょうけれど)。


自分の答えはどこに?

そんな「落ちこぼれ」を経験する意味、私が答えるとするならば、弱い立場の子の気持ちがわかるようになってほしかった、ということになります。クラスに言葉もわからない転入生がやってきた、友達の輪から浮いてしまって遊びに入れない子がいる、勉強がわからず戸惑っている子がいる、自分自身がそうなった体験は子どもにとって鮮烈なものだったと思います。そこから、次に、そういう子がクラスにいたら自分はどうするか、一緒に考えたかったのです。

私の考える答えはだいぶ変わっていると思いますが、日本の教育から一時的に(完全に、ではないので悩みが複雑になる部分がありますね)離れることの意味を考えるひとつの視点になると思います。


野口由美子

2017年5月17日水曜日

賛否両論? 育児CM動画(私が好きなのはこれ)


日本の育児CM「つらくてもがんばるママ」

日本の赤ちゃん用オムツ「ムーニー」などを手掛けるユニ・チャームの企業広告が批判されている、という話を聞き、私も動画を観ました。

初めてママになって戸惑いながら、苦労しながら、がんばって育児をする様子。疲労困憊の様子。正直、私もそうだったなぁ、と思いました。この動画を嫌う人は多いようですが、「つらくても一生懸命なママ、がんばれ!」という応援の気持ちを込めたかったのだと思います。


アメリカの育児CM「みんなが赤ちゃんのために」

この動画との対比で一緒に紹介されていることが多い「パンパース」のCMも観てみました。この動画に登場するのは、ママだけではなく、夜泣きする赤ちゃんを一晩中抱っこするパパや、赤ちゃんにおもちゃを貸すお姉ちゃん、階段でベビーカーを運んでくれる男性、赤ちゃんが通る時は工事を中断する作業員。これも、イギリスやオランダに住んでいる今の私にとっては、そうそう、みんなで赤ちゃんを大切にする感じなんだよな、と共感できるものです。

でも、育児の時間は宝物、とか、赤ちゃんのためなら何だってする、とか、どっちも育児を美化しているなぁ、と思いました。オムツメーカーですし、美しくありたい気持ちは大切なのはわかります。


イギリスの育児CMは?

育児CM、というと私が真っ先に思い出すのはこれです。フィアットがイギリスで制作したFiat 500LのCMなのですが、完全にユニ・チャームやP&Gの逆の方向を行っています。面白いのでよかったら、観てください。

'The Motherhood' feat. Fiat 500L | Fiat UK




初めて観た時は、なんでこれが車のCMなのか、育児CMの定番であるはずの「すてきなママ」がどこにもいないのでびっくりしました。Motherhood、母であることを美化するどころか、きれいなところが全くないです。でも、うなずけるし、ユーモアとして笑えます。

このCMを作ったのは容易に予想できると思いますが、女性です。彼女がフィアットの役員会でこのCMを初めて上映すると男性役員たちの表情が固まり、こんなCMではリスクが高すぎて使えないと認めてもらえなかったそうです。しかし、マーケティング担当の役員が家で妻に見せると、笑って面白がっていたそうで、結局採用されることとなり、大きな反響を呼びました(やはりこのCMに対する意見も賛否両論だったようです)。


パパは?

そしてもちろん、父親をテーマに続編も作られました。

The Fatherhood - Fiat 500L 12" Remix | Fiat UK



私は、やはり、母親の方が迫力があるし、面白いな、と思いましたが、どうでしたか。

CMは、企業の思惑によってできていますが、とてもよく考えて作られているので、社会環境や人の心理が巧みに作用するような仕掛けになっていると思います。それぞれ、どの育児CM動画もそういった背景がとても鮮明に表現されていたのではないかと思います。

また面白い育児CMが作られるたら是非観てみたいです。

参考: Daily Mail "In da (mother)hood: Car advert rap about faking orgasms and joining book clubs to drink wine strikes a chord"


野口由美子

2017年5月12日金曜日

学校のPTA活動、いろいろ思うところあり。海外では?

学校の活動に親が関わることは大切。幼稚園や小学校など、子どもがまだ小さいうちは特に。

わかってはいるけれど、負担が重いとなかなか大変。

役員やその他の係。やりたくないけれど、持ち回りだから、みんなが1度はやらなくてはならないから。強制ではないのだろうけれど、強制というか義務というか、仕方ない気持ちで引き受ける、そんなこともあると思います。


親のボランティア精神で!の海外


親が学校の活動に関わるのは、あくまでボランティア。ヨーロッパに住んでいると、もっと親は割り切った態度でいるように見えます。

ボランティアだから、やりたい人が自発的に手をあげることが重要で、それがすべてです。強制されることはありません。それでうまくいくものなのでしょうか。


ボランティアの人数が集まらなかったらどうするの?


そのとおりです。人数が集まらなかったら何もできなくなります。

たとえば、娘の学年は今、毎週水泳の授業があり、公営のプールへ学校からバスで行きます。その往復と着替えの補助として各クラスから2人の保護者が付き添います。

先生からの依頼という形でクラス委員(これも立候補で毎年1人選出)の親がクラス全員にメールでお知らせ、教室の前に表が貼られます。付き添い可能な親が名前を書きこんでいきます。両親のうちどちらかが、各学期に1回は付き添いをしなければならない計算になりますが、この表がなかなか埋まらないのです(積極的な親が多い息子のクラスはあっという間に名前が埋まったのですが)。

水泳の授業が近くなると、クラス委員からお願いメールが送信されてくることもあります。

「誰か今週の水泳の授業に付き添いできる方はいませんか。私の他にもう1人必要です。」

クラス委員の人はもうすでに何回も付き添いをやっているのを知っているので、申し訳ない気持ちになります。仕事があるとか、赤ちゃんが家にいるとか、事情があってできない親もいますが、関心がないのか全然やらない親もいます。

何とかギリギリやっている感じです。実際に、近所の公園に行く校外学習の日に、親の付き添いのボランティアが集まらず、中止になったこともありました。


完全に親のボランティアだけだと、毎年ちゃんと行事ができなさそうじゃない?


これもそのとおりだと思います。

しかし、そもそも、日本の学校で行うような入学式や運動会のような盛大な行事があまりありません。

入学式はやらないので比較しようがないのですが、運動会で比べてみるとかなり違いを感じます。

たとえば、イギリスの小学校では、運動会は定番の学校行事だと思います。Sports Dayといいますが、運動会と訳すべきではないと言いたくなるくらい違う、「ゆるい」行事です。気候のいい6月くらいに、みんなで青空の下、体を動かそう、くらいのものです。かけっこしたり、2人3脚したり。

事前に入念な練習もしませんし、盛沢山のプログラムをこなすための分刻みの進行が必要なわけではありません。観に来る家族も多くないので観客席などの設営を事前に行うこともありません。

日本人の親にはちょっと味気なく感じますが、学校行事が全体的にそういう簡単なものであるからこそ、PTAの仕事も少なくて済むというのも事実だと思います。


海外の学校で親が熱心なこと


でも、ヨーロッパのPTAが日本より熱心にやっていることがあります。

それは、寄付集め。

ウィンターマーケットやサマーフェア。ベークセールに中古のユニフォーム販売。PTAがイベントを企画し、バザーなどの物品販売や飲食の売り上げを寄付します。ユニセフや地域の慈善団体など外部への寄付もありますが、学校への寄付が一番の目的のようです。

イギリスに住んでいた時、近所でPTA活動が盛んな公立の小学校がありました。頻繁にバザーやフェアを行い、PTAから学校へ、かなりの数のタブレットを寄付したそうです。

とはいえ、こういったイベントもそれほどしっかり運営されているわけではありません。毎年出たとこ勝負で、内容が充実している年があるかと思えば、翌年は急に簡素になってしまったり。フェアに参加するメンバーも活動に熱心ないつもの顔ぶればかり。


学校の日本人保護者有志による、親向け折り紙ワークショップを開きました

日本食もふるまって日本文化紹介です
(お寿司やお菓子を率先して作ってくれる熱心な方が多いので開催できています)



どっちがいいPTA?


日本と比べて、どちらのPTAがいいか、と言ったら、海外の学校の方が、自分のできることだけをやればいいので、気が楽なのは確かです。しかし、日本でそういうスタイルが根付くかといったら、それは難しい気がします。個人の力よりも、組織で力を合わせることが重視され、ボランティア精神からくる自主性よりも、負担が公平、平等であることの方が大切なのが日本の価値観ではないかと思います。どちらがいいか、と決められるものではないのかもしれません。

どちらにしても、親の関わりあってこその学校だと思うので、親にとっても学校が身近で、参加しやすいPTAであったらいいなと思います。私もまだまだ、精進します。


野口由美子

2017年5月2日火曜日

子どものトイレトレーニング、早い? 遅い? 何が違う?


イギリスに住んでいた時、私の娘は現地の保育園にお世話になったのですが、最初に目の当たりにしたことが、

「2歳半でトイレトレーニング開始は遅い方」

ということ。

しかも、イギリスでは短期間でトイレトレーニングを進めることが多いようで、1週間で完了、というのも珍しいことではないようでした(もちろん、子どもの成長には個人差があるので、遅い子や時間のかかる子もいました。他人は他人、周囲と比べる必要はないと考えるのが基本なので、誰も気に留めませんが)。

その時の体験談を記事に書かせていただきました。

ママのための子育て情報WEBマガジン「ママスタセレクト」
トイレトレーニングが1週間で完了、その秘訣とは?

この記事には書かなかったトイレトレーニングの秘訣、があります。

オムツが親にとって「負担」


イギリスでは、日本で感じる以上にオムツが親にとって負担なのです。そういう「負担感」こそ、トイレトレーニングが早い本当の秘訣だと思いました(これでは、秘訣とは言えないですね)。

まず、紙オムツの質。イギリスなどヨーロッパでも、もちろん紙オムツが主流なのですが、日本よりも質が悪く、お尻がかぶれたり漏れたりしやすいです。動きやすいパンツタイプのオムツがあまりないことも。しかも、日本より値段が高い。それでは早くトイレトレーニングを進めたいと考えるのは当然だと思います。

そして、集団生活集団生活のスタートが早いこと。イギリスでは2歳半から受け入れをしている幼稚園が多く、2歳くらいから集団生活を始めるという場合も多いです(通常3歳から国からの費用補助があるので、3歳になるとほとんどの子が幼稚園などに行きます)。いろいろなスタイルの施設があるので、オムツが取れていることが入園条件になっているとは限らないのですが、集団生活を始めるまでにトイレトレーニングを終わらせたいと考える親は多いようです。

便利な育児用品の品揃えも日本の方が上。トレーニングパンツのような便利で機能的なパンツもあまりありません。トイレトレーニングをするとしたら、いきなりオムツからパンツに替えるというやり方になります。親にとってはちょっと勇気が必要ですが、トレーニングパンツやオムツを使うより、パンツの方がトレーニング期間は短くなる、という話もよく聞きます。便利な道具がない分、思い切りがつくのかもしれません。

トイレトレーニング事情は恵まれている日本?


日本で子育てをしていると、
「こうしなくてちゃダメ」
「これができなかったら母親失格」
みたいな考えが多すぎて母親がつらい、という話をよく聞きます。「母性神話」や「3歳児神話」のような話もたくさんあります。特に海外に住んで、違う文化を見ると余計そういう実感が強くなるかもしれません。私自身もそう思うことがあります。

でも、トイレトレーニングに関しては、日本は自由があるのではないかな、と思います。紙オムツは高品質で価格が安く、使いやすいです。布おむつを使わないとトイレトレーニングが進まないので母親失格、というような「トイレトレーニング神話」はないと思いますし、紙おむつは環境に悪いので使う親は意識が低い、と責められる話もあまり聞きません。幼児教育の義務化や無償化も進んでいないので、集団生活を始めるタイミングをずらしやすいですし、幼稚園の先生がトイレトレーニングのフォローをしてくれることもよくあります。

「昔はオムツが外れるのがみんなもっと早かった。」
自分の親くらいの世代の方からよく聞きます。早い子もいれば遅い子もいる、今の時代のトイレトレーニングは、昔の日本と比べても、自由になってきたんだと思います。トイレトレーニングみたいに、子育て全般がもっと自由になっていけばいいのに、とひそかな願いも込めています。


野口由美子



2017年4月26日水曜日

海外子どもの遊び事情(室内編)

「今日は楽しかった? 何して遊んだの?」

学校どうだった?と聞くのと同じように、友達と遊んで帰ってきたら、いつも子どもに聞いてみています。子どもはどんなことして遊んでいるのか? 大人にはなかなかわからない、子どもの社会を垣間見るような思いになります。

いろんな国の子たちが入り混じっているこどもたちの遊び事情について前回の記事(海外子どもの遊び事情(屋外編))に続き、今回は家で遊んでいる様子を。


  • チェス

日本ではチェスはマイナーですが(私もいまだに、ルールさえよくわかっていません)、こちらだと、大抵の子はお父さんかお母さんから教えてもらってルールを知っています。学校にチェスクラブがあったり、地域で子ども向けの大会が頻繁に開かれていたり、チェスをやる場もたくさんあります。

息子の場合、私たち両親が知らなかったので、チェスクラブに入りたいと自ら志願し、定石の問題を毎週少しずつ解いているようです。そんなことを2年以上続けてる息子には、どうぶつしょうぎでも、両親ともに勝つことはできなくなりました。チェスも私たちが思っているほど難しいばかりのゲームではなく、子どものうちから楽しむものだそうです。





  • テーブルフットボール

日本にも卓上のサッカーゲームがありますが、ヨーロッパには、テーブルフットボールといったらこれ、というスタンダードなサッカーゲームがあります。日本のものより大分単純な形。我が家にも1台あるのですが、好きな子は勝つまで、いつまでもやっていたいようです。ホテルのラウンジで、ビリヤード台の隣などの片隅にテーブルフットボールが置いてあって、大人たちが盛り上がっている、なんて光景を見ることもあり、誰でも楽しめるゲームとして定着しているようです。





  • ルービックキューブ

最近、学校へ送り迎えに来ると、8歳から11歳あたりの学年の子たちが、熱心にルービックキューブをいじっている姿をよく見かけます。ちょっと古い感じがするけど面白いのかな、意外に思いましたが、今学校で流行っているとのこと。うちでもルービックキューブを買おうと、ヨーロッパのアマゾンのサイトを見ていると、子どもに買い与えたという親の書いたレビューがたくさん出てきます。今も子どもたちに親しまれているようです。得意な友達は1分程度で完成してしまうそうで、息子もコツをつかもうと一生懸命練習しています。

ちなみに、興味本位で、日本のアマゾンのサイトで、ルービックキューブのレビューを見ると、大人が、自分で使う観点で評価しているものが多かったです。ルービックキューブが好きな大人がやるもの、という印象を受けました。子どもが遊ぶおもちゃではないみたいですね。


  • (番外編1)ポケモンカード

ルービックキューブが学校で流行り出す前、一時期、男の子たちの間でポケモンカードを学校に持って来るのが流行りました。ポケモンカードゲームをするのではなく、ただカードを見せ合ったり、交換したりするのです。オランダの近所のおもちゃ屋さんに行くと普通に英語のポケモンカードが売っています。日本人の子が日本語のポケモンカードを持って来ると、

「かっこいい!」

と人気だったそうです。

大人なら誰もが予想すると思いますが、やはり子ども同士でトラブルになったようで、


「ポケモンカードを学校に持って来るのはやめよう。なくしたり、交換したカードを返してほしくなってケンカをしたり、トラブルになるから。先生がポケモンカードを禁止するのはこれで7回目になるんだよ。」

校長先生が禁止にしたそうです。何年か経つとまたカードを持って来る子が現れるので、何回も禁止令が出るのでしょう。ポケモンの人気ぶりがよくわかりました。


  • (番外編2)テレビゲーム

もちろん、テレビゲーム類も人気なのですが、それほど重要ではないようです。確かに、テレビゲームを持っている子の家に行くと、息子もやらせてもらっていることが多いです。

でも、テレビゲームは意外とみんなの好みが分散してしまっているようで、サッカーのゲームばかりの子や、マインクラフトだけという子、マリオが好きな子、やるゲームがバラバラで、みんな共通で楽しめる遊びになりにくいみたいです。しかも大抵の家では、時間制限などの約束事があって、親に監視が面倒に思うのかもしれません。

海外の子どもの「たしなみ」


子どもの遊びの世界にも「たしなみ」があって、心得ておくと、初めての場所で新しい友達を見つけたり、みんなで遊んだり、簡単なようです。しかも、上手だと尊敬され、周囲のまなざしが一気に変わります。男の子にとってのたしなみは、外ならサッカー、家ならチェス、が一番みたいです。


同級生の中でも頭1つ分、背が小さく、性格も大人しい息子は、親の私から見ても決して目立つ人気者タイプではありません。

「この間のチェスクラブでレイ(クラブの中で一番チェスが上手な上級生)に勝ったんだってよ。」

息子のことを指さし、そう話していた子たちの息子を見る目が一変したのを感じました。羨望のまなざし、のようで、正直私がうれしかったです。

昔からある、簡単にできる遊び。でも奥が深い、体や頭をフルに使う、そういう遊びが大切にされているのはいいことだな、と思います。私もチェスでもやってみようか、と。


野口由美子

2017年4月19日水曜日

海外子どもの遊び事情(屋外編)

日本でも海外でも、子どもが何より楽しいのは、友達と遊ぶ時間。

私の子どもたちが通っている学校は、アムステルダムにあるブリティッシュスクールで、オランダ人の子は少数派、イギリス人も少なく、いろいろな国の子がいます。私の子どもたちの友達はヨーロッパ各国から来た子か、インド人の子が中心。時々日本人の子同士でも遊んでいます。子どもたちのバックグランドがいろいろ違うと、どんなことをして遊ぶのだろう、と興味津々の私は、よく子どもたちに聞きます。

「今日は楽しかった? 何して遊んだの?」

息子たち、小学生男子はこんなことをしてよく遊んでいます。今回は外遊びについて。

おにごっこ

本当に小さいうちから、子どもは追いかけっこが好きですよね。小学生になっても、元気のいい男の子たちはとにかく走り回っています。

子どもたちの流儀は、
「タグ!」
と言って、相手にタッチしたら、おにごっこがはじまる合図。タッチされた子は相手を追いかけなくてはなりません。「一緒に遊ぼう」とうまく話しかけられなくても、何も道具がなくても、どこでも誰でも始められる、最高の遊びかもしれません。

大きくなると、子どもが自分でルールを作ることもできます。9歳の息子くらいの年齢になると、男の子と女の子が一緒に遊ぶことは少なくなってきますが、男の子たちがおにごっこをしているところに、女の子が何人か入ってくる、ということもあるそうです。

みんなが一緒に楽しめるように、
「タッチされた子はみんなおにになって、おにが増えていく。男の子は女の子を、女の子は男の子をつかまえなくてはならない。」
というルールをみんなで決めた、と息子が話してくれました。男の子は男の子ばかりを追いかけるし、女の子がおにになると、誰も捕まえられなくなることが多いから、というのが彼の説明でした。なるほど。

サッカー

どこの公園にもサッカーボールを持った子が来ていて、いつの間にか、知らない子同士でもサッカーが始まります。サッカーは、どこに行っても人気のあるスポーツです。日本の少年野球のような感じで、地域のサッカーチームに入って練習している子もたくさんいます。

私は、日本に住んでいた時、近所の公園で球技が禁止されていたことを思い出しました。東京、ロンドン、アムステルダムを比べたら、東京が一番、子どもがサッカーをやる場所が少ないように感じます。日本は安全な分、制限も多い、ということかもしれません。


近所の小さな公園なのですが、サッカーをする場所があります。

学校の休み時間、男の子はおにごっこかサッカーに分かれて遊んでいるそうで、日本の小学校も似たような光景なのかな、と想像するのですが、どうでしょうか。

男子は外で遊ぶのが一番! とはいえ、暗い、寒い、天気が悪い冬の季節も長いので家の中での遊びも重要です。次回、屋内編を紹介したいと思います。


野口由美子

2017年4月13日木曜日

日本の小学生、ここがうらやましい!

日本の小学生の子どもたちって恵まれているな、と海外で生活して初めて気が付くことがあります。

「日本では、小学校1年生から子どもだけで学校へ行くから、集団登校もあるけれど、親は送り迎えをしないもの。」
日本人以外の人に話すといつもびっくりされます。東京でも大丈夫、なんて言ったら、都市でもそんなに安全なの!? と信じられないようです。


学校の送り迎えは親がするもの

法律で親の義務となっているかどうかは、ヨーロッパでも国によって違うようですが、大人が小学生の送り迎えをするのは当然、と考えられています。私も毎日学校の送り迎えをしています。

働いている親はどうするの、と思われる方もいるかもしれません。学校で行われている朝夕の学童クラブのようなものを利用したり、自分の親に助けてもらったり、シッターを雇ったり、スクールバスやその他の送迎代行のようなサービスを使ったり、いろいろな方法でやりくりしています。


小学生でも自由に遊べない

こういう環境で、私が一番残念に感じていることは、子ども同士で遊ぶ約束をしたり、子どもだけで友達の家や近所の公園へ遊びに行ったりすることができない、ということです。

子どもに「友達と遊びたい」と言われたら、まず、親である私がその友達の親と、コンタクトを取らなくてはならいません。

「うちの子があなたの子どもと遊びたいそうなので、放課後うちに遊びに来ませんか。私が子どもたちを学校から連れて帰ります。」

いつが都合いいのか。誰が普段送り迎えをしているのか。家の場所はどこか。うちまで迎えに来られるか。初めてうちに来る友達だったら、ちゃんと事前に話をしておかないといけません。

お互いの家を時々行き来できる感じになってきたら、確認しておきたいことが追加で出てきます。

普段家の夕食の時間、就寝時間は何時か。 食物アレルギーなどで食べられない物があるか。

小学校1年生から午後3時頃まで学校で授業がある上に、就寝時間の早い子が多いという事情もあって、うちで一緒の夕食を食べていってもらったり、子どもたちの希望があれば泊まっていってもらったり、ということが頻繁になっていきます。子どもの行動範囲が限られている以上、親が動かない限りどうにもなりません。

親の負担もかなりのもの

延々と親同士でメッセージのやり取りをして、スケジュールを調整したり、送り迎えしたりしていると、あっという間に時間が経ってしまいます。

親にしてみたら、正直なところ、かなりの負担ですが、それをこなしたとしても、子どもにとっては、友達と遊びたい時に自由に遊べない、という不満が残ってしまう、と感じています。

私の場合、子ども2人分のスケジュールで動かなくてはならず、うまく遊ぶ約束ができないこともあります。子どもの習い事はやっぱりここでも盛んなので、子どもが遊べる日は限られています。誰が何曜日遊べるのか事前に情報収集して、子どもから遊びたい相手を複数聞き出し、Yesの返事を早くもらえそうな人から手際よく声を掛けて、予定を埋めていかないと、せっかく放課後遊ぼうと思っても遊ぶ相手がいないのです。近所の公園に行けば、約束していなくても友達が何人かいる、という光景もあまりありません。子どもはすごくがっかりします。


子どもにとって安全な環境、他にはない良いところ

確かに日本でも子どもが犠牲となる事件が起きていて、かつてほど安全ではないと言われていますが、日常的に、学校の送り迎えが親の義務となったり、子どもだけでの留守番や外歩きが禁止されたり、ということはまだありません。日本のような安全な国は奇跡的だと思います。

日本はうらやましい、と思いながら、私は今日も携帯電話で親同士のメッセージを乱発しています。他のお母さんに「いつも子どもを友達と遊ばせていて、あなた偉いわよ!」とほめられるくらいなので、どこの親にとっても日本の環境はうらやましいものではないかと思います。


野口由美子