2015年12月7日月曜日

オランダで表情豊かなミッフィーちゃんに出会う

アムステルダム国立美術館のミッフィーちゃん

今年2015年はミッフィー誕生60周年。日本でも記念イベントがたくさんありましたが、本家オランダ、アムステルダムの国立美術館ではDick Bruna. Artistという特別展が開催されました。私もミッフィーちゃんが大好きです。

国立美術館はレンブラントやフェルメールの名画を収蔵し、世界的にも有名な美術館です。その美術館での特別展は、ディック・ブルーナ氏のアーティストとしての側面に焦点を当てたもので、改めて私はミッフィーちゃんをじっくり観ることができました。とても明るく明確な色使いに平面的で単純化された造形。ミッフィーちゃんは動きが少なく、無表情。色も形もシンプルなのに、かわいいです。

しかし、展覧会の解説をみると、ミッフィーちゃんの表情が描き分けられているという説明がありました。もし、うさこちゃんの絵本が手元にあったら是非見比べてください。実は絵本のうさこちゃんはどれも同じではないのです。

わくわくするうさこちゃんと満ち足りたうさこちゃん

たとえば、「うさこちゃんびじゅつかんへいく」。展覧会のカタログの解説に沿ってみてみます。うさこちゃん家族が美術館へ出かけていくページと、美術館から帰るページの挿絵を比べます。おとうさんとおかあさん、うさこちゃんが並んで歩いている様子は行く方向と帰る方向で向きが違いますが、それ以外は同じ構成の絵になっています。

うさこちゃんの顔、目を比べます。

美術館へ行くうさこちゃんの目は大きく、美術館から帰るうさこちゃんの目は少し小さく描かれています。手描きだから多少違いがあるということではありません。大きい目は、これから美術館へ行くわくわくした気持ちを表しています。興奮や好奇心によって目が長く丸くなるというのは、人間や動物の感情表現に従ったものだそうです。そして美術館で楽しんだ後のうさこちゃんは目が小さくなっています。これは満足感の表れなのだそうです。解説では、ダーウィンの「人及び動物の表情について」を参照し、うさこちゃんの表情は、人間や動物の普遍的な表情であると指摘していました。

絵本ナビのためしよみで、美術館に行くうさこちゃんの挿絵を見ることができます。
うさこちゃんびじゅつかんへいくうさこちゃんびじゅつかんへいく
作・絵:ディック・ブルーナ / 訳:まつおか きょうこ出版社:福音館書店絵本ナビ

シンプルな絵の中で、うさこちゃんの気持ちはちゃんと表現されていたのです。ミッフィーが世界で愛されるようになったのは、単純な色や形の中に普遍的な感情を、世界中の人々、子どもにも伝わるように表現されているからだと解説されていました。

絵本をもっと楽しむ

うさこちゃんの絵本を子どもと読む時、うさこちゃんの表情や気持ちを子どもに聞いてみると、意外といろいろな答えが返ってきます。もちろん、絵本のお話があるので、絵そのものというよりお話の内容からうさこちゃんの気持ちを想像しているかもしれません。つい絵本を読んであげる大人はお話を呼んで聞かせることに集中してしまいますが、絵を見て感じたことを話してみるのも、絵本の楽しみの一部だと思います。うさこちゃんは絵本の楽しみを広げてくれます。

 余談ですが、
ミッフィーちゃん、うさこちゃん、2つの名前が日本では使われています。ミッフィーちゃんというのは英語版の翻訳でつけられたMiffyからきていて、うさこちゃんは日本語版の絵本を最初に作る時につけられた名前だそうです。もともとのオランダ語ではナインチェ(Nijntje)という名前で、ウサギという意味のコーナイン(Konijn)を縮めた幼児語に、小さいという意味のtjeがついています。ミッフィーちゃんは親しみやすい名前ですし、うさこちゃんはオランダ語に忠実な訳になっていてとてもいい名前です。どちらの名前も好きなのでこの記事では両方使いました。

参考: Rijks Museum ”Dick Bruna. Artist” 


野口由美子

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