2016年1月21日木曜日

子どもへの「正しい」接し方も、いい子になる「魔法」の言葉もいらない

東京の住宅街、どこにでもあるような小さな公園に子どもと毎日のように遊びに行っていた頃のことです。幼い子どもの世話に追われる生活を送っている親にとって、公園は数少ない外出先、外で気分転換ができるちょっと特別な場所だと思います。でも、正直なところ、ちょっと公園は苦手だなぁ、と思っていました。

「ほら、そんなところに上ったら危ないでしょ。降りてきて」
「じゅんばんばん、でしょ。ここでお友達が終わるのを待っていなさい」
「貸ーしーて、って言うんでしょ」
「いいよ、って言ってあげなさい」


公園で友達と仲良く遊ぶルール、どう伝えたらいい?


順番を守る、おもちゃの貸し借りができるということは子ども同士が仲良く遊ぶために守らなくてはならないルールだと私もわかっていますが、熱心に子どもに付き添って、「正しい」公園での遊び方を教え込む大人に違和感がありました。

公園ってもっとみんなが自由に遊べる所であればいいのに、と内心思っていた私は、ルールをきちんと教えていない親、しつけを怠っている親、と思われていたかもしれません。ではどうふるまうのがいいのかしら、私はよくわからなくなりました。

海外の公園で見つけたヒント


そんな私がイギリスに引っ越して来たばかりの時、そしてオランダへの引っ越し後も、まだ学校が始まらない娘の遊び場を探し、公園に通う生活が戻ってきました。行く公園はどこも初めての場所、再公園デビューという気分です。海外とはいえ、近所の人たちが集まる昼間の小さな公園は、1, 2歳の小さい子たちがのんびり遊んでいます。でも、違うところがありました。

小さい子どもが高い所に上ろうとしたら、落ちても大丈夫なように親は後ろについていますが、上ってはダメと言っている様子はありません。順番を守れない子や他の子のおもちゃを使っている子がいたら、親が他の遊具で遊ぶように誘っているようです。親が子どもを呼び止める場面はありますが、特に咎めたり、ルールを教えようと一生懸命でもないようです。

ただ、自分の子が他の子に迷惑をかけてしまったら、親はその子に「ごめんなさいね」、その親に対しては「あなたの子はいい子ね、ありがとう」など、声を掛けます。教育熱心な母親やしつけに厳しい父親、もしくは周囲の人に無神経な親、どれでもありません。親がもっと楽な気持ちで子どもを見守っているように見えます。私はこういうやり方があるのかと初めて気づかされました。

子育てに正解はない、頭ではわかっているつもりでしたが


もちろん、どこの公園でも、遊具や自分のおもちゃを子どもが「シェア」することは大切、と考えられているのは明らかで、誰もそういうルールを軽視しているわけではありません。でもそれは、親が説いて教えるものではなく、公園で他の子と接する体験を通じて本人が学ぶものと考えられているのです。

自分一人っきりで自分のおもちゃだけを使うより、他の子と一緒に使ったり、他の子のおもちゃも使ったりできる方が楽しい、遊具は順番に使った方が自分も遊べていい。子供自身が遊びの中でそういうことに気づき、行動できるようになるのを、親は待っているのだそうです。

子どもへどのように声をかけるべきとか、親のどういう行動が間違っているとか、そういう育児書の中にあるような正解を求めて、それまで私も気にし過ぎていました。私が公園で出会ったのは、子どもが答えを見つける子育て、です。


野口由美子

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