2016年2月4日木曜日

マイナス2度の冬の森で体験する、北欧発のフォレスト・スクール

私が今住んでいるオランダも、1月になって、それまでの暖冬傾向とは打って変わって急に寒くなり、気温が一日中0度に届かない日がしばらく続いたことがありました。今回はその時にあったフォレスト・スクールのお話を。

フォレスト・スクールはイギリスでも人気の自然体験学習 

フォレスト・スクールは、デンマークなど北欧で行われている学習スタイルで、イギリスの学校では国のカリキュラムで採用されているわけではないのですが、とても人気があり、取り入れている学校が多いそうです。日本では森のようちえんという名称で紹介されているようです。子どもが外で過ごす時間が少なくなりがちな環境で、子どもと自然がかかわる機会を作るために取り入れられているそうです。

真冬の寒さの中でも?

子どもが自然と触れ合うことを大切にしたい、ということに異論を唱える親はいないと思いますし、私も自然との触れ合いを大切にしたいです。でもその日の気温はマイナス2度。正直なところ、私は寒さに憂鬱でした。こんな寒くて、曇りか雨かばかりの天気に恵まれない時期に野外で授業なんてやらなくていいのではないかしら、子どもは体調を崩してしまうのでは、と内心思っていました。

しかも私は付き添いをすることになっていました。クラスでは子ども4人に1人の割合で大人が付き添う決まりとなっているので、毎回クラスの親が34人手伝いに参加しなくてはなりません。親のボランティアは強制ではなく立候補なので、やらないこともできるのですが、親がいないために授業がキャンセルになってしまうのは申し訳ないという思いで、あまり積極的ではなかったものの、付き添うことにしました。

私の憂鬱をよそにフォレスト・スクール出発

当日、子どもたちは6人乗りのオランダらしい自転車で出発します。子どもたちはゴムのつなぎのズボンにブーツ、マフラー、ジャケット、手袋、ニットの帽子、と完全装備です。



子どもたちは今日は何を見つけられるか、話し合っています。木や草、散歩の犬、リスやウサギ、鳥。ゾウも?、ライオンも?。子どもたちはたくさん期待しています。行き先は近くの大きな公園です。


公園に着いて、あちこち寄り道しながら大きな木の下まで歩いて行くと、木の芽を見つけました。それが春になると膨らんで、木は葉っぱでいっぱいになると先生は教えます。子どもたちは一緒に葉っぱが茂った木を想像します。



さらに森の中に入っていきます。



子どもたちは並んで座ります。リンゴと暖かい飲み物で休憩したあと、先生が絵本を読んでくれました。今日の絵本は鳥がでてきました。



「この寒い冬の間、鳥は食べ物をどうやってみつけるのかしら。」
みんな考え込んでしまいました。

「今日は鳥のためのエサを作ってあげたらどうかしら。」



モールにシリアルやブドウなどの果物を通し、わっかにして木の枝に掛けました。



ここで雨がパラついてきました。最後はちょっと急いで学校に戻りました。


私は、とにかく寒かったです。しかし、
「悪い天気というものはない。あるのは間違った服装だけ」
というスウェーデンの諺があるそうで、フォレスト・スクールでは先生に呪文のように言われました。確かに、完全防寒の子どもたちが、寒いと言っているのを聞くことはありませんでした。

 ただ外で木々に触れるだけで広がる子どもの感性

 実際に寒さの中、子どもについて行って思ったのは、やっぱりやる価値はある、ということでした。いくら寒くても天気が悪くても子どもは外に出て楽しかったそうですし、枯れ木に座るのが楽しかったこと、大きな木に小さな木の芽を見つけたことなどを熱心に話しているのを見て、学校でやっている他の活動と比べて、子どものリアクションが特別いいように感じました。

私は、子どもの自然体験、というと、お芋掘りのような収穫体験や、川や海遊び、山遊びのような、日常生活ではできないような体験がいいのではないかと思っていたのですが、フォレスト・スクールはそういうものではないようです。戸外で子どもが中心となって五感で感じることが大切なのだそうです。子どもが虫や動物を見つけたり、木に登ってみたり、大きな子どもになると火を使ったり、小屋を作ったりもするそうです。もっと自然を、近く、季節の移り変わりを通して感じることが大切とされています。

寒くて天気が悪くても、子どもと木々の中に入っていく。これもなかなかいい体験でした。


野口由美子

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