2016年6月2日木曜日

本屋さんがすすめる、言葉のない絵本

きれいな絵だけ、言葉のない絵本

先日、友人の子が1歳になったお祝いに絵本をプレゼントしようと、本屋さんに行きました。アムステルダムにあるすてきな本屋さんです。本屋さんというと、大手チェーン、ネット販売、電子書籍に押され気味という印象ですが、アムステルダムには個人経営の本屋さんがまだまだあり、こだわりのある品ぞろえをしています。




お店の人に小さい子におすすめの本を紹介してもらいました。
「この本は言葉が全くない絵本で、とても美しいの」


きいろいふうせん 地球一周きいろいふうせん 地球一周
作:シャルロット・デマトーン出版社:西村書店絵本ナビ


私の子どもがもっと小さかったころ、私は字のない絵本を子どもと読む(見る)のはあまり得意ではありませんでした。どうしたらいいのかわからなかったし、お話がないとつまらないのではないか、という気持ちが強かったからです。

自分が苦手なものを友人にプレゼントしてしまっていいだろうか、とちょっと迷いましたが、私はこの本に決めました(私が実際に買ったのはオランダ語版 "De gele ballon"です)。


言葉のない絵本はどうやって読んだらいい?

「この本は自由に楽しむものなの。」
レジに持っていく前に、私は中を開いてみました。店員さんの話は続きます。

「世界のいろいろな場所が各見開きに描かれているけれど、どの絵にも黄色い風船がどこかにいるの。それを探すのも面白いわね。」

「動物や乗り物や、子どもが好きなものがたくさん描かれているわね。どんなものがあるか見つけるのもいいと思う。」

「いろいろなシーンがどのページにもたくさんちりばめられているの。ほら、このページは街の絵だけれど、火事になっている建物があるでしょ。こっちのページの端にはね、消防車が走ってきているの。いろいろな人のいろいろな生活を想像することができるわね。」

「世界を一周するのがこの本のテーマだから、そういう旅のお話を考えることもできるわよね。」

なるほどなあ、と私は思いました。


子どもの言葉の発達に、言葉のない絵本を

どの絵本を読んであげたらいいか、と考えながら絵本を探すことはあっても、絵本をどのように子どもと楽しむか、ということはあまり気に留めていなかった私。そんな私が言葉のない絵本に興味を持つようになったのは、娘の学校の英語教育で、絵だけの本を多用することに気づいてからです。

娘は毎週、絵だけが描かれた薄い本を先生から渡され、持って帰ってきます。それを家で一緒に開きます。絵を見ながら、何が描いてあるか、とか、次のページで何が起きるだろう、とか、いろいろなことを話し合うのです。そういうやり取りが言葉の習得につながっていく、と先生から説明を受けました。

確かに、いつも娘は自分から本を開いて、絵に沿ったストーリーを話し始め、「私にだって本が読めるんだから!」と楽しそうです。普段の親子の会話からは出てこない言葉や話題を話すことになります。

日常生活の中で、よく子どもと話しているつもりでも、幅広い話題で会話していないことに気づきました。「早くしなさい」とか「ご飯できたよ」とか。子どもに聞くことといったら「今日は学校どうだった?」その程度であっという間に1日が過ぎてしまう中で、子どもと本を開く時間は言葉がたくさんあります。


プレゼントを開けてみて

この絵本のプレゼントはとても喜んでもらえました。
1歳の子は、周りのお父さん、お母さんやおばあちゃんがきれいな絵に見入っているのにつられて、膝の上で一緒に眺め始めました。
「ほら、ここには○○ちゃんの大好きなお馬さんがいるよ。」
「数える!いーち、にー、さーん。」
3歳のお姉さんは動物を早速数え始めました。
どのページにも発見があり、大人の語りかけが絶えません。それを聞いている1歳の妹はニコニコしていました。

(写真撮影協力: Boekhandel van Rossum

野口由美子

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