2016年11月10日木曜日

今の時代にこそ、おすすめ。子どもに人気の本「ファーブル昆虫記」

読書の秋ですね。うちでは最近、上の子がファーブル昆虫記に夢中です。毎晩パパと一緒に読んでいます。

ファーブル昆虫記、懐かしいと思いませんか。私も小学生の時に読みました。私が子どもの時は青少年向きに翻訳されたものが中心で、当時の私には少し難しく、面白いけれど読みにくいと思いながら読んでいました。今はもっと翻訳の種類が増えたようで、小学校低学年向けのやさしいものもあります。

試行錯誤しながら虫たちの生態を探っていく話は、特に虫が好きでなかった私にも面白かったです。「なぜだろう」という素朴な疑問や、虫たちの生きる知恵に心から感動し、その素晴らしさを伝える語り口は、子どもが素直に楽しめるようです。


今の時代にこそ読んでもらいたい

今、ファーブル昆虫記を読んでみると、別の発見があります。

子どもが大好きなタマコロガシ(フンコロガシ)の話にこんなくだりがありました。
あるとき、わたしは、タマコロガシにして書かれた本を、よんでみました。そこには、こう、かいてありました。
「タマコロガシのたまのなかには、たまごがはいっています。タマコロガシは、ウマのふんのたまのなかに、自分のたまごをうみつけて、それを、ころころ、ころがしていくのです。」

ファーブルはその本を読んだ感想をこう述べています。
なかなか、おもしろいはなしです。でも、なんだか、へんですね。こんちゅうのたまごというものは、とても、やわらかいのです。ふんのたまのなかに、うみつけて、ごろごろ、ころがしたら、きずがついて、しんでしまうでしょう。
こんちゅうのおかあさんは、そんな、むちゃなことは、しないはずです。

そして、ファーブルは続けます。
ひとつ、ほんとうかどうか、しらべてみましょう。わたしは、タマコロガシが、ころがしているたまを、とりあげて、ひとつひとつ、こわしてみました。・・・
たまごは、ひとつも、はいっていませんでした。
おもったとおりです。あの本にかいていることは、しんようできません。きっと、(たぶん、そうだろう。)くらいで、いいかげんに、かいたのでしょう。

パパと一緒にこの話を読んでいた上の子は、なんとなく聞き流している様子だったみたいです。本を中断して、パパが質問しました。
「インターネットに書いてあることは全部本当だと思う?何でも信じるの?」
「うん、だって本当だもん。」
「でも、ほら。本に書いてあったことが嘘だったんだって。本やインターネットで読んだものも、本当じゃないことがあるんだよ。」
しかし、そうおもっただけなら、さっきの本をかいた人と、おなじです。じぶんの目で、ちゃんと、みとどけなくてはなりません。

「ユーチューブで見たものだって本当じゃないかもしれないんだよ。噓を言うつもりがなくても間違えてしまうことだってあるしね。」
最近ユーチューブの話ばかりの子どものことを少し心配していました。

「どうしたらいいの?」
「ファーブルみたいに自分で確かめてみることが大切じゃない?もしできなくても、別の人がなんて言っているか調べてみるとか。そういうことを考えなくちゃ。」

ファーブル昆虫記の中には、本に書いてあることや他の人が信じていることをそのまま信用せず、ファーブルが自ら確かめる場面が幾度となく出てきます。

子どもたちはインターネットなどいろいろなところから得た情報をそのまま信じてしまうようです(大人である私も、情報に振り回されていることがあるのでは、とはっとしますが)。情報を何でも鵜呑みにしていいのか、一緒に考えるきっかけになりました。


ファーブルの家まで行ってきました!

すっかりファーブル昆虫記が気に入った私たち家族は、この秋にファーブルの家まで行ってきました。

マルセイユから秋ののどかな南フランスをドライブし、セリニャンという小さな村にたどり着きました。その村にファーブルが晩年過ごした家があります。ファーブル昆虫記の大部分はここで書かれたそうです。


ファーブルの家の入口。




ファーブルの家。記念館になっていて、収集した標本などが展示されています。


 ファーブルが昆虫観察をした庭をずっと散策していました。木や草花がたくさん植えられていますが、家のお庭の割には、手入れが行き届いている様子ではなく、いわゆるガーデニングから程遠い感じがしました。でもその方が、昆虫たちも暮らしやすいだろうし、植物ものびのびしているようにさえ見えます。ゆったりとした時間が流れていました。


庭の一角にタマコロガシの像がありました。


子どもたちもずっと庭を歩き回っていました。


ファーブルの本が、子どもの心にも残るものであったらいいな、と思います。


引用: 「新版ファーブルこんちゅう記1 タマコロガシものがたり」 小林清之介・作 横内襄・絵 (小峰書店)


野口由美子

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