2016年3月19日土曜日

テレビゲームは買わない!私が子どもにテレビゲーム?

私の息子はもうすぐ8歳。WiiやXboxといったゲーム機が今一番欲しいようです。子どもの友達にはゲーム機を持っている子が意外といて、友達の家でやらせてもらって、余計欲しくなっているようです。子どもがテレビゲームとどう付き合うか、多くの家庭ではいろいろ考えていると思います。

友達の中には、タブレットを子ども専用に与えられている家もあるかと思えば、ゲーム機だけでなく、テレビも子どもに見せない家もありますし、いろいろな家庭があります。テレビゲーム類を子どもに与えている家は大抵ルールがあって、時間を守って遊ぶ約束をしています。

我が家は今のところ家にタブレット、パソコン、テレビは時間を守って使うことにして、ゲーム機は置かないことにしています。ルールを守ってできるならゲーム機もいいのでは、と考えたこともあるのですが、テレビゲームは1日1時間、くらいやらないと満足できなくなるのではないか、という感覚があるのです。ファミコン世代の自分の子ども時代の経験なのですが、実際のところ、今のゲームはどうなのでしょうか。まだ私も理解が足りないかもしれません。

とはいっても、子どもにダメ!と言えば言うほど、子どもはテレビゲームをやりたくなってしまうだろうし、どうしたものか。

これならやらせたいと思うような「いいゲーム」がないかと探してみました。私がここで「いいゲーム」の条件として考えたのは、
「不自由かつ自由なもの」
です。イメージはレゴ、です。ブロックだけで作るという制約の中で、最初は箱に同封されている作り方を見ながら作るしかないのですが、それを壊して全く自由に別の物を作ることができ、だんだん自由に作るのが楽しくなってくる、そんなレゴみたいなゲームだったら、子どもも楽しめるだろうし、依存しないで遊べるのではないかと思ったのです。



そんな思いで見つけました。

1. Minecraft


私の子どもが友達に教えてもらったのがきっかけで、知りました。少し前からあるゲームで世界的に有名なので「マイクラ」をご存知の方は多いと思います。日本ではあまり小学校低学年の子どもがやるイメージはないかもしれませんが、低年齢でも十分遊べます。ゲーム自体にストーリーはなく、その世界の中で何をやるかは本人の自由です。大きな家を作ったり、探検したり。ブロックを積み上げて好きなものを作っていくところは正にレゴなので、レゴの延長線上で楽しめるようです。

2. The Hour of Code Mincraft

マインクラフトの世界観でコンピュータサイエンスの考え方を学びながら遊べます。与えられた課題をクリアするために簡単なコードを作っていくのですが、パズルのような感覚でできるようです。コードを書く、試す、直す、という作業が続きますが、要領がつかめてくるとかなり早くできるようになり、さすが子どもは吸収が早いです。

3. Flappy Code

2のThe Hour of Codeは、何をするのか課題が与えられていますが、こちらはコードを書いて自分のオリジナルゲームを作る、という体裁になっています。Flappy Birdというゲームが素材となっていて、このゲーム自体は単純なものですが、自分で作ったゲームをやってみることができる、というのも面白いです。

4. ScratchJr

Scratchは子供向けに開発されたプログラム言語で、このScratchJrはさらにそれを低年齢(5歳から7歳)向けに簡単にしています。簡単ながらも、自分で猫のキャラクターを動かし、ちょっとしたストーリーやゲームを作ることができます。Flappy Birdよりももっと好き勝手にいろいろなことができます。

コンピュータサイエンスなんてさっぱり、むしろ苦手な私ですが、子どもが学校でも学んでいるのを見て、プログラミングも、絵を描いたり、工作したりするのと同じようにもっと子どもが親しんでいいのかもしれない、と考えるようになりました。

子どもが学校でやっていた、というのがきっかけでしたが、ScratchJrまさに「不自由かつ自由」なので、子どもなりにかなり考えて作らないとできませんし、がんばれば結構複雑なこともできるので自由な発想で遊ぶことができます。

今我が家ではこんな感じでテレビゲームで遊んでいます。というより、コンピュータサイエンスで遊ぶ、というやり方になりました。一方的にゲームはダメ!というにはもったいないくらい、いろいろ面白いものがあることに気づきました。これからもまだ試行錯誤になりそうですが、いいものを見つけたいです。


野口由美子

2016年3月13日日曜日

ディスコなんてふざけている?子どもたちの難民支援

子どもの学校でこんな張り紙がありました。オランダにあるブリティッシュスクールの入り口です。
パジャマディスコ!
1月22日金曜日 16:00-17:30
学校ホールにて
チケット(1人最低限2ユーロ)は生徒会委員から事前購入のこと




今回のチャリティーイベントはディスコ

ディスコといっても、小学生の子どもが学校でやるものなので、果物やお菓子などの食べ物やジュースが出て、ノリのいい音楽がかかる中、子どもたちが踊るというか騒ぐ、というようなイベントです。今回のディスコは「難民支援」が目的だそうです。

私の子どももとても楽しみにしていて、ちょうど人気のスターウォーズのBB-8がプリントされているパジャマをこの日のために選んでいました。

ディスコで出される食べ物は持ち寄りで、果物、ポテトチップスやポップコーン、ビスケットなどを持参します。

お菓子を食べたり踊ったり。子どもからのリクエスト曲もかかります。人気曲はファレル・ウィリアムスの「Happy」(子どもたちの雰囲気が伝わるかと思い、You Tubeのリンクをはりました)。




うちの子は音楽の授業で習った(!)クイーンの「Bicycle Race」がかかったのがうれしかったそうで、派手に踊って、ベスト・ダンサーに選ばれました。賞品までもらって、満足そうにしていました。




生徒の半分以上の160人を超える参加者から、400ユーロ以上の寄付を集めました。全額子どもがいる家族向けの難民シェルターに寄付されました。寄付先は生徒会の子どもたちで決めたそうです。

チャリティーの精神はどこからくるか

チャリティーは楽しいこと。
チャリティーイベントは楽しくないといけないそうです。

イギリスに住んでいた時も、オランダにいる今も、子どもは学校内だけでも年に5、6回はチャリティーイベントがあります。大人も意外なほどあっさりとチャリティーにまとまった金額を寄付したり、ボランティア活動に参加したりするのが当たり前の光景として目に入ってきます。

日本でも東日本大震災を機に寄付やボランティア活動が盛んになったという実感がありました。しかしやっぱり、日本はあの時が「特別」だったような印象があります。ここではあれくらいやるのが「普通」と言われそうです。でも、それはその人の良心、公共心、正義感といった類の道徳的な気持ちからだけではないと思います。

参加するのは、楽しいことだから。楽しいだけでなく、人のためになるなら、うれしい。喜んでやるよ。

そんな楽しいうれしい気分だけで難民問題のような困難な社会問題を解決できるとは思いません。しかし、問題解決への力を与えるのはそういう前向きな気持ちから出てきた支援だと思わずにはいられませんでした。

写真協力: the British School of Amsterdam


野口由美子





2016年3月4日金曜日

海外に住んで分かった、日本の保育園はやっぱりすごい

日本の保育園の制度をどう思いますか。

私の日本の保育園に対する考え方は、海外生活を経験して大きく変わりました。私が今になって気づいたこと、2つ紹介します。

1. レベルが高い

日常生活の中でのしつけはしっかりしているし、外遊びや室内遊びはバラエティ豊か、季節の行事や歌もたくさんあります。

イギリスにいた時、イギリスのいくつかの保育園に子どもを預けた経験がある日本人のお母さんからこんな話を聞きました。
「2人目の子を日本で出産した時、上の娘を日本の保育園に預けていたのだけれど、すごくきめ細かく先生がみてくれて、驚いてしまったくらい。日本は違うと思ったわ。お姉ちゃんになる子どもの精神的ケアもしてくれて、至れり尽くせりという感じだった」

確かにイギリスにもオランダにも、立派な施設で、先生が熱心な保育施設はありますが、こんなにきめ細やかなものではないように感じます。日本で私の子どもが保育園に通っていた時、保育園の連絡帳の細かさといったら、クラス全員の子どもにこれだけのコメントをいつ書いているのだろう、と不思議にさえ思いました。どんな遊びをしたとか、食事をよく食べたとか、どの絵本が好きとか、誰とどんな関わり合いがあったとか。

イギリスで私の子どもが通っていた保育園にも、連絡帳のようなものはありましたが、基本的に「元気に過ごしていました。大丈夫!」というようなコメントが多かったです。私が心配症で子どもの様子を知りたがっている、と思われたのかもしれません。文化の違いなのでしょうけれど、日本の保育園のきめ細かい先生とのやり取りが懐かしく思いました。

2. 保育料が安い

日本の保育園が安いってそんなことない、と思われた方も多いでしょうか。確かに、認可保育園では所得によって費用が変わりますし、子どもの年齢が小さいほど保育料も高くなります。認可外になれば、認可保育園より高くなります。

かつて私が住んでいたイギリスは、共働きが多いイメージがありますが、保育園の費用は概して日本より高いです。3歳になると公的補助として週15時間無料で保育を受けることができ、3歳の子を受け入れる公立の保育園もありますが、それまでは私立の保育園かベビーシッター(ナニー、チャイルドマインダー)に預けます。私立の保育園で週5日フルで子どもを預けるとしたら、1ヶ月の保育料は15万円くらいはかかります。より良い園を選ぼうとすればもっと高額になります。所得の低い人などには手当もありますが、かなりの負担です。

オランダは福祉が充実した国で共働き家庭も多い、と言われていますが、実はオランダにも公立の保育園がありません。4歳から無償で学校教育を受けることができますが(義務教育は5歳からです)、それまでは、私立の保育園かベビーシッターに預けることになります。私立の保育園の場合、保育料は、週5日フルに通うと、月20万円程度になります。イギリスよりも高い印象でした(ただし、政府から託児所補助金が支給され、自己負担額は少なくなります。労働時間や所得によりますが、日本の認可保育園よりは負担が重くなりそうなイメージです)。

日本の保育園はすごい、でも

日本の認可保育園の高品質、かつ、低料金、は世界でも珍しいのではないでしょうか。

日本では、ヨーロッパの充実した育児支援制度が紹介されていると思いますが(北欧やフランスが紹介されることが多いでしょうか)、私は日本の保育園制度の方がすごいと思っています。そもそも、北欧諸国、フランス(イギリスやオランダもそうですが)は、程度には差があるものの、日本より税金が高いのです。そういった国の制度を取り入れるには国民負担もマネしなくてはならなくなります。

ただ、日本の保育園の最大の問題点は、数が絶対的に足りません。

イギリスもオランダでも、妊娠中から保育園を決めて、長い期間順番待ちをするという話はよくありますし、数が足りているわけでもなさそうですが、子どもを預ける場を、保育園ですべてカバーしようとは考えていないようです。ヨーロッパではベビーシッターを希望する親が多いということもあるかもしれません。将来的には、日本でもベビーシッターがもっと普及するかもしれません。

日本で働くすべての人に保育園を

結局は、親の働き方というもっと大きな問題にぶつかるのだと思います。

イギリスは、高い保育料を払ってでも働きたい人だけが働けばいい、と突き放されても、日本よりも雇用が流動的で、一度子育てのために仕事を辞めてもまた仕事を見つけられる可能性は高いし、管理職の女性も多いので、高い保育料を払ってでも仕事を続けた方がいいと考えられるかもしれません。

オランダはそもそも週5日フルタイムで働くことが必須、と考えられていません。同一労働同一賃金で、男性でも女性でも
「これから週5日でなく、週3日勤務に変えたい」
と、会社の都合ではなく個人の希望で変更するそうです。在宅勤務やフレックスタイムも当たり前。夫婦交代で子供の面倒をみれば、毎日保育園に子どもを預ける必要がありません。実際に、週5日保育園を利用する家庭は少ないそうです。

日本だったら、働き続けていた会社を辞めるのは「もったいない」と思います。長く勤めるほど、現職と同じ待遇の仕事が見つからない可能性は高くなります。短時間勤務であっても残業する人が多く、それを仕事が回らないから「仕方ない」と諦めることも珍しいことではありません。

このような働き方が必要な限り、高品質、低料金の保育園は働く親みんなに必要だと思います。


野口由美子