2016年4月26日火曜日

子どもから子どもへの支援。助け合いは当たり前と伝えたい

今私の住んでいるオランダで地震が起きることはほとんどありません。しかし、国土が水に囲まれた低地帯で、度々洪水に見舞われてきた歴史があり、大きな被害に遭ったこともありました。そういう背景があるからかもしれません。オランダでこんなことを言われました。

「私はいつも自分が人のために何ができるか考えるわよ。寄付ができるかしら、ボランティア活動ができるかしら。助け合っていくものだと思っているから。別に私だけではないわよ、そういうものだと思っているの。」

子どもができる支援とは? 

子どもも例外ではありません。こんなチャリティーキャンペーンが子どもの学校でありました。

発展途上国の子どもへ、靴箱にプレゼントを入れて送ろう
Edukansというオランダの団体によるキャンペーンで、靴箱に学用品や生活必需品を入れ、途上国に送ります。






靴箱に入れる物のリストが渡されました。

必ず入れてほしい物:
ノート
ペン
色鉛筆
歯ブラシ
歯磨き粉
石鹸

他にも任意で小さなおもちゃや塗り絵なども入れられます。私は近所のお店で中身を買いそろえ、子どもに渡しました。

子どもは、靴箱にプレゼントを入れ、思い思いにラッピングして飾ります。




靴箱を学校に持っていき、プレゼントを受け取ってほしい子の年齢や性別を指定し、送料を支払います。私たちは上の子と同じ年齢層の男の子を選びました。

ボランティアの親が一つ一つ中身を確認した上で、靴箱は送られていきました。 



プレゼントが届いた!

それから5ヶ月後、私も子どもも靴箱を送ったことを忘れかけていました。ある日、私たちの靴箱がアルバニアの子どもに渡されたというメールが送られてきました。

子どもと一緒に、アルバニアの子どもたちが靴箱に入ったプレゼントを受け取っている動画や写真を見ました。どの子に自分たちが送った靴箱が届いているか確認できなかったのですが、大勢の子どもが喜んでいます。


写真引用: Edukans http://schoenmaatjes.edukans.nl/uitdeellanden/albanie/

私の子どもが一言いいました。
「よかったね。」

私は、アルバニアの子に対してだけではなく、自分の子どもにとっても、参加してよかった、と思いました。

子どもも一緒に「自分は何ができるか」

ただ必要な物を集めて途上国に送った方が簡単で、効率的だったはずです。でも、子どもが靴箱にプレゼントを詰めて、楽しみながらラッピングをするところが大事だったのです。私の子どもたちは、また次もやりたいと言っていました。

今はまだ早いのかもしれません。でも、私たちが次に考えることはそういうことだと思います。


野口由美子


2016年4月7日木曜日

本を読むのは苦手な子?だから一緒に読みたい本

子どもよりも私が楽しみにしているのではないかと思うくらい、毎年参加している学校のイベントが今年もありました。

「母国語による読み聞かせ」の会。

同じ母国語の子どもたちが集められ、親が母国語で読み聞かせをするというものです。子どもの通うブリティッシュスクールでは、授業はすべて英語ですが、ほとんどの子どもは英語が第2言語です。英語習得のためにも、母国語を大切にする方針を取っている学校なので、このような母国語を使うイベントが開かれます。

今年、私は小学校1年生から4年生の子どもたちを相手に読み聞かせをすることになりました。日本語の読書をたくさんする子もいれば、日本語は話せるけれど、読み書きは苦手な子もいます。このくらいの年齢になると、男の子と女の子で興味も分かれてくるだろうし、どんな本がいいのだろう。本を選ぶのも楽しいです。

私が選んだ本は、推理もの!


ミルキー杉山のあなたも名探偵(1) もしかしたら名探偵ミルキー杉山のあなたも名探偵(1) もしかしたら名探偵
作:杉山 亮 / 絵:中川大輔出版社:偕成社絵本ナビ

この本の読み聞かせでは、まず日本語がよくできる男の子が身を乗り出し始め、気が付けばみんな私の周りを取り囲んで聞いていました。1冊の本に3つの話が入っているのですが、
「もっと!」
とせがまれ続け、結局全部読みました。

主人公の探偵、ミルキー杉山が依頼を受けて、事件を解決していくのですが、最初に事件編、その後に解答編が続きます。本を読みながら、推理を楽しめます。

小学生になっても読み聞かせ


推理をしながら自分ひとりで読むには、小学校中学年くらいからかな、と感じましたが、読み聞かせしながら、
「犯人は誰かな?」
「ぼくわかった!」
と子ども同士が推理に盛り上がっている様子を見て、これはひとりで読むだけでなく、読み聞かせが合っている、と思いました。

小学校1年の息子には、犯人を当てるのが難しかったようですが、事件編の中で、どこがヒントになりそうか、最初は一緒に考えてあげると要領がつかめるようです。2話目からは自分でいろいろ推理していました。

1つの話は短いので飽きてしまうこともありませんし、文字の大きさや絵の多さを見ると、小学校低学年の子でも取っつきやすいページになっています。主人公が頼りないところも、子どもたちには親しみを感じるようで
「探偵なんだからもっとしっかりしてほしいよね!」
なんて言っていた子もいました。低学年の読書入門として人気のある「かいけつゾロリ」シリーズの次に何を読もう?なんて迷ったときにもおすすめです。

小学生くらいになると自分で好きな本を読む子と全く読まない子がはっきりしてきますし、読み聞かせも幼稚園の時ほど熱心でなくなってしまうこともあります。本を読むのが苦手な子も多いです。

でも、やっぱり本を開く楽しみを知ってほしい。そんな時に子どもと一緒に手に取ってみてはいかがですか。


野口由美子




2016年4月4日月曜日

子どもにも「ほんもの」を。子どもが集まる博物館のしかけ

この春休みはイギリスに旅行していました。かつて私たち家族が住んでいた懐かしいイギリスを訪れたのですが、一つ目的がありました。

博物館で「ほんもの」を見せてあげたい。

学校で下の子が恐竜のことを習ってきたから、自然史博物館で恐竜の骨の標本や化石を。上の子が古代エジプトを勉強してきたから、大英博物館でロゼッタストーンや本物のミイラを。




オックスフォード大学の自然史博物館では、イースターにちなんだ面白いイベントをやっていました。博物館でイースター・エッグ・ハントをしよう!というイベントです。



 館内に用意されている6つの卵を見つけて、そこに書かれている問題を解いていくというものです。すべてに答えると最後にステッカーがもらえます。




展示の内容に関連した問題が用意されているので、卵のある所だけ、子どもが群がって熱心に展示を見て答えを考えていました。



博物館や美術館がこうしてわざわざ子ども向けのアクティビティを用意して子どもを歓迎してくれています。親にとってはうれしいものです。多くの博物館や美術館では、子供のためにワークショップやアクティビティが開かれていますし、館内のカフェでは子どもの食事が無料、というのもよく見かけます。

子どもの好奇心を刺激するのは本物に触れるのが一番だと思います。でも、子どもと一緒に博物館や美術館に行くと、いつもすぐに飽きられて、展示どころではなくなってしまうものです。私は早々に退散するはめになり、がっかりすることもしょっちゅうです。

子どもの動機は、イースターの卵を探して、クイズに答えて、ステッカーをもらいたいだけ。それでもいい、と思いました。いつもの
「ママ、もう早く出ようよ」
という言葉を子どもから聞くことがありませんでした。ただステッカーをもらいたいだけだったとしても、博物館を歩き回って、印象に残ったことがひとつでもあったら。そこからさらに興味が広がっていったら。また訪れたいと思いました。



野口由美子