2016年9月28日水曜日

早期教育反対!の私が見たイギリスの幼児教育

早期教育、というと、どういうイメージがありますか?

早期教育は日本に限らず、今の時代の流れであるように感じます。日本よりもイギリスの方が、幼児教育に熱心なくらいでした。日本でも小学校が始まる前に、自分の名前が書けたらいいのでは、とひらがなを教える家庭や幼稚園は多いと思いますが、イギリスでは4歳から学校が始まるので、それまでにアルファベットで名前くらい書けるようにしたい、とナーサリー(保育園)の先生に言われたこともあります。

小さい子どもはのびのび自由に遊ぶことが大事、という考え方も根強く、早期教育には疑問を持つ方も多いと思います。いわゆる読み書きや数を教えるような教育は、あまり早くからできるようになっても、成長するにつれて、それほど差はなくなってくるような印象です。

私自身はずっと早期教育反対派で、上の子は、日本の保育園で年少さんの終わりまで、のびのび過ごしていました。ひらがなの読み書きは、ほとんどできませんでしたし、鉛筆も持ったことなく、クレヨンで絵を描いていました。

その状態でイギリスに引っ越し、上の子が現地の学校に編入しました。クラスの同い年の子たちは鉛筆を持って字を書いていました。

こんなに違うのかと、とても驚いたのですが、学校の先生が言った
「大人は子どもが学ぶ準備できるのを待ってあげてください。」
というアドバイスは、とても印象に残りました。

その時のことを記事に書きました。

ママのための子育て情報WEBマガジン「ママスタセレクト」
早すぎる?幼児教育への疑問に答えた先生の一言

私の早期教育に対する見方は、大きく変わりました。読み書きといった学習に限らず、大切なことは小さなうちから、触れさせてみることはいいことなのではないか、と考えるようになりました。

「子どもにはまだ早い」と杓子定規に考えるのはやめました。それと同時に、準備ができていなかったら、その時は諦めればいい、と固執しないことも学びました。

結局、子どもの才能は無限大!なんて過度な期待をしないという幼児教育に懐疑的な心持ちのままで、ずっと過ごしていたわけですが、子どもは至ってマイペースながら、自分なりのやり方で力をつけていくようです。


野口由美子








ママのための子育て情報WEBマガジン「ママスタセレクト」


早すぎる?幼児教育への疑問に答えた先生の一言

2016年9月25日日曜日

赤ちゃんにやさしい気持ちでいるには?

ママのための子育て情報WEBマガジン「ママスタセレクト」に記事を掲載していただきました。

初めての赤ちゃんに疲労困憊、当時の私に私に渡したいもの

私の子どもたちはもう学校に通うくらい大きくなりましたが、子どもがまだ小さな赤ちゃんだった時のこと、特に初めての子どもが産まれたばかりの時のことを思い出すと、


なんであんなに大変だったんだろう、


とちょっと気恥ずかしくなるくらいに、当時の大変さがよみがえってきます。


「赤ちゃんの世話はこうしないとダメ!」

というような思い込みもたくさんありましたし、
自分が母親なんだから!」
という責任感もすごく強かったと思います。

一生懸命過ぎて、とても疲れていました。実際に、当時の私だけでなく、本当に一生懸命なお母さんはたくさんいると思います。


初めてだから、私自身、なかなか気が付くのは難しかったのですが、もう少しゆっくり、余裕をもっていられたら、初めての赤ちゃんとの生活がもっと楽しいものになっていたのではないかと思います。


時には人に頼ったり、助けてもらうことのありがたさも、子どもが産まれてから本当に理解できたような気がします。助けてもらうと、自分も人にやさしくできるようになりました。


そのことがわかるまでに私は時間がかかりましたが、これから赤ちゃんを産む人や今赤ちゃんと一緒のお母さんにはもっと肩の力を抜いて、やさしい気持ちで、今の時間を楽しんでほしいと思います。

赤ちゃんだって自分とは違うひとりの人間、思った通りにならないのが当たり前、そういうことも含めて、赤ちゃんとの生活を大切にしてほしいです。



野口由美子

2016年9月20日火曜日

東京新聞で当ブログが紹介

こんにちは。野口由美子です。いつも当ブログをご覧いただきありがとうございます。

今回は東京新聞朝刊(神奈川版)で、当ブログを紹介していただきました。
東京新聞 TOKYO Web (神奈川)でも記事を読むことができます。

<安保関連法成立1年 みんしゅしゅぎって> (上)多数決って正しいの?(2016年9月16日)

かこさとしさんの絵本「こどものとうひょう おとなのせんきょ」を取り上げた私のブログ記事について触れられています。

最近の日本の政治状況と、この絵本を重ねて、「多数派の正義」が横行している、と思われる方がいるかもしれません。でも、問題はそれだけなのかと思います。この絵本の素晴らしいところは、そういう短絡的な話に終始しないところです。手に取っていただけるとわかります。ここで、私たちには「少数でもいい意見」があったのか、ということも考えなくてはならないと思います。もっと議論ができないのか、と。

今回取材していただき、そんなことを考えました。


野口由美子


2016年9月9日金曜日

子どものスイミングに盛大な拍手が沸き起こる日

この夏はオリンピックでの日本人選手の活躍に熱中された方も多いと思いますが、我が家では、もうひとつ、息子の水泳検定試験という大きなイベントがありました。

水泳の検定なんて、一大イベントなの?
と、私も不思議に思っていたのですが、オランダの水泳検定には、親せき、家族総出で応援に来る、とか、子どもにプレゼントを用意してあげる、とか、そんな話を聞きました。オランダの子どもにとっては大切なイベントのようです。

 ディプロマ取得が子どものステータス

オランダは、至る所に運河があり、その景観がきれいなのですが、柵がないので子どもが落ちる事故が起きてもおかしくありません。そのため、運河に落ちても溺れることがないよう、国民皆水泳を目指しています。学校授業で全員がやるわけではないのですが、多くの子どもは、国が定めるディプロマを取るためにせっせとスイミングレッスンに通います。個人差はありますが、5歳くらいから始めて1年程度で取得する子が多いようです。

検定試験は盛大に

検定当日、会場には、本当に家族総出、という感じで応援に来ている人たちであふれていました。

盛大な音楽と共に子どもたちが入場。拍手がわきます。

先生の合図のもと、順番に泳いでいきます。
運河に落ちても大丈夫というサバイバル水泳だけに、最初は着衣水泳。
Tシャツに短パン、靴を履いて、
立ち泳ぎ10
さらに25m泳ぎます。



その後服を脱いで、
飛び込み、3m先のロープをくぐり、平泳ぎ50m、仰向けになって50mなど、
いろいろなことをやるのですが、クロールや背泳ぎをきれいなフォームで!という感じではないところも、また日本との違いを感じました。

服を着ていても、足のつかない深いプールでも、自信満々で泳ぐ子どもたち。応援したり写真を撮ったり熱心な家族。

最後は検定の合格証が手渡されました。音楽が流れる中、全員でプールサイドを1周します。



 会場は大盛り上がりです。



うわさに聞いていた通り、一大イベントでした。

子どもの成長を祝う行事は、日本でもいろいろありますが、こんな派手な水泳検定のお祝いも、なかなかよかったです。うれしそうな、自信をつけた子どもの表情が違いました。もっと子どもを祝ってあげればいいんだな、と思いました。


野口由美子

2016年9月1日木曜日

テレビの中の障害者、子どもはどう思う?

BBCの幼児向けチャンネルに障害者

子どもたちが観ているテレビ、ある時、私は、右腕の肘から先がない女性が出演していることに気づきました。彼女は半袖のシャツを着て、手のない右腕を隠そうともせず、不自由そうなそぶりも全く見せず、他の出演者と同じようにテレビに映っていました。

イギリスに住み始めた時から、私の子どもたちは、シービービーズ(Cbeebies)をよく観ていました。シービービーズというのは、BBCの幼児向け番組のみを放送しているチャンネルです。日本のNHKのEテレに近い感じです。朝の6時から夕方7時まで、毎日放送していて、対象年齢は6歳くらいまで。イギリスの子どもたちにはおなじみのチャンネルです。日本でも、「チャギントン」や「ポストマンパット」など、シービービーズで放送されている番組をご存知の方もいると思います。

その幼児向けチャンネルに障害者が出ています。彼女を初めて見て、私はドキッとしました。内心、戸惑いましたが、テレビの中の彼女は、そんな私の気持ちをよそに、視聴者から送られてきたカードを楽しそうに紹介していました。

子どもたちの様子をちらっと見ました。気が付いていないのか、特に何も言わずに、テレビを観ていました。

なぜ腕のない女性がテレビに?

彼女について興味を持った私は調べてみました。彼女の名前は、ケリー・バーネル。過去には、彼女のテレビ出演が、イギリス国内で大きな議論を巻き起こしたこともわかりました。

2009年にシービービーズで彼女の出演が始まった当初は、
「子どもが怖がって、夢に出ると泣いている。」
「彼女の姿を幼い子どもに見せる必要があるのか。」
と、保護者の苦情が殺到したそうです。

しかしケリー自身の意見は、
「知らないことが偏見につながる。差別になる。私自身が、子どもと一緒に障害について話すきっかけになりたい。」
と、苦情に対して驚きや戸惑いさえも感じていなかったようでした。

苦情や批判を乗り越えて、今も幼児向けチャンネルに出演を続けている彼女のことを、子どもと話さないのはもったいないと思いました。

5歳の娘から見た障害

「ケリーってどう思う?」
私は5歳の娘に聞いてみました。
「好き。だってかわいいから。」
娘はケリーの手がないことに気づいていないのかも、と疑問に思い、私は直接言ってみることにしました。

「ケリーは片方の手がないよね。」
娘ははっとした顔をして、
「そうだあ。」
と、顔が暗くなりました。泣きそうです。
「どうして、ケリーは手がかたっぽないの?」
と娘は私に聞いてきました。

「生まれた時からないんだって。そういう人もいるんだよ。でも、元気だし、他の人と同じようにやっているよね。」
生まれつきの障害であることを知り、ケリーはそれでも元気、ということに安心したようでした。こわばっていた顔がほっとした様子になりました。

新しいことを発見するたびに「なんで?」と聞いてくる、いつもの質問と同じようなやりとりでした。障害のことも、理由が娘なりに納得できれば、そういうものだ、とそのまま受け入れているようでした。


8歳の息子から見た障害

8歳の息子にも聞いてみました。
「ねぇ、ケリーってどう思う?」
「ああ、腕がないの、ちょっと怖い。」
下の子ではなく、上の子が怖いと思っていたことは意外でした。

「じゃあ、もう観たくない?テレビに出てほしくない?」
「うーん。あんまり観たくない。」
そう言った後、少し考え込んでいました。私は息子が何を考えているのかわからず、黙っていました。

一生懸命考えている表情で、息子が口を開きました。
「でも、この人テレビに出られなくなったら、お金もらえなくなって、食べ物も買えなくなるよね?」
「そうだね、テレビに出るために歌や劇の勉強をいっぱいして、今テレビに出るお仕事しているからね。困ると思う。」
「シービービーズに出るのは難しいんだよね?」
「そうだね、テレビに出るお仕事をするために、勉強している人はたくさんいるからね。その中から選ばれなくちゃいけないから、シービービーズに出るのはすごいことだよね。がんばらないとできないね。」
「うん。やっぱりケリーもテレビに出ていいと思う。」
障害があるからという理由で彼女を認めないのは良くない、と自分で気づいたようでした。

子どもに理解させるのは難しい、まだ早い。そんなことはありませんでした。大人が勝手に難しく考えているだけのようでした。



   ケリー・バーネルへのインタビュー
   ”ONE ARM Kid TV Show Host Creates Controversy | Cerrie Burnell & CBeebies | BBC”



野口由美子