2016年11月25日金曜日

子どもの貧困 全国集会開催へ バッシングを乗り越え、子どもたちの声を伝えたい

公益財団法人あすのばは、子どもの貧困対策のさらなる進展のために、124日(日)、東京・代々木の国立オリンピック記念青少年総合センターにて、全国集会を開催します。

前回のあすのば全国集会のようす1
(出典:子どもの貧困対策センターあすのばフェイスブックページ


前回のあすのば全国集会のようす2
(出典:子どもの貧困対策センターあすのばフェイスブックページ


あすのばは、子どもが「センター」(真ん中)であるべきという考えのもと、子ども自身の声を大切にしながら活動しています。この全国集会では、学生たちが中心となって、当事者である子どもたちの声を直接伝えようと準備を進めています。学生理事として活動している佐藤寛太さん(名城大学4年)に、その内容について聞きました。

集会の準備を進める佐藤さん(中央)たち
(出典:子どもの貧困対策に子どもの声を!第2回あすのば全国集会フェイスブックページ

当事者の高校生、大学生が登壇し、自らの経験を語ります

「相対的貧困は見えにくく、外からはわかりにくいものです。当事者が自ら声を上げることもなかなかできないと思います。ちょうど夏に、テレビで報道された貧困の高校生に対するバッシングがあり、貧困世帯の子ども自身が声を上げることは今まで以上に難しくなりました。それでも勇気を出して登壇する彼らの声は、貴重だと思います。」

貧困にある子どもの日常生活の「困りごと」を伝えます

「日常生活の中で子どもが感じる困難から見えてくる問題があるのではないか、と思っています。全国集会の前日に「子ども委員会」を開き、当事者の高校生、大学生が気楽に話し合う場を設けます。そこで共有された思いや困難を全国集会で報告する予定です。どんな内容になるかは当日までわかりません。たとえば、僕自身の経験なのですが、高校生の時、パソコンを使う宿題が出たのですが、家にパソコンがなくて困ったことがあります。些細なことかもしれないのですが、子どもたちが日常生活の本音を拾い上げることができるのは僕たちだと思っています。」

給付型奨学金について学生によるディスカッションを行います

「給付型奨学金については今とても注目されているトピックです。今の奨学金制度について、卒業後の返済が苦しいということを問題にすると、「返さなくてはならないことはわかっていたはずだから、借りた方が悪い」というような批判もあります。しかし、借りる高校生に対してきちんと説明されていたかというと、必ずしもそうではないのではないか、と疑問が残ります。学生が自分の経験をベースに、奨学金制度の問題点や解決策について話を深めていきたいです。」

佐藤さん(左端)と共に当日ディスカッションに参加する学生たち
(出典:子どもの貧困対策に子どもの声を!第2回あすのば全国集会フェイスブックページ

佐藤さん自身も3歳の時に父を亡くし、現在は奨学金を利用して大学に進学しています。忙しい学生生活の合間を縫って、全国集会の準備に取り組んでいます。子どもが置き去りにならないために、大人である私たちが彼らの声に耳を傾けることが大切ではないでしょうか。

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参加者募集中です。是非会場に来てみてください。
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野口由美子

2016年11月10日木曜日

今の時代にこそ、おすすめ。子どもに人気の本「ファーブル昆虫記」

読書の秋ですね。うちでは最近、上の子がファーブル昆虫記に夢中です。毎晩パパと一緒に読んでいます。

ファーブル昆虫記、懐かしいと思いませんか。私も小学生の時に読みました。私が子どもの時は青少年向きに翻訳されたものが中心で、当時の私には少し難しく、面白いけれど読みにくいと思いながら読んでいました。今はもっと翻訳の種類が増えたようで、小学校低学年向けのやさしいものもあります。

試行錯誤しながら虫たちの生態を探っていく話は、特に虫が好きでなかった私にも面白かったです。「なぜだろう」という素朴な疑問や、虫たちの生きる知恵に心から感動し、その素晴らしさを伝える語り口は、子どもが素直に楽しめるようです。


今の時代にこそ読んでもらいたい

今、ファーブル昆虫記を読んでみると、別の発見があります。

子どもが大好きなタマコロガシ(フンコロガシ)の話にこんなくだりがありました。
あるとき、わたしは、タマコロガシにして書かれた本を、よんでみました。そこには、こう、かいてありました。
「タマコロガシのたまのなかには、たまごがはいっています。タマコロガシは、ウマのふんのたまのなかに、自分のたまごをうみつけて、それを、ころころ、ころがしていくのです。」

ファーブルはその本を読んだ感想をこう述べています。
なかなか、おもしろいはなしです。でも、なんだか、へんですね。こんちゅうのたまごというものは、とても、やわらかいのです。ふんのたまのなかに、うみつけて、ごろごろ、ころがしたら、きずがついて、しんでしまうでしょう。
こんちゅうのおかあさんは、そんな、むちゃなことは、しないはずです。

そして、ファーブルは続けます。
ひとつ、ほんとうかどうか、しらべてみましょう。わたしは、タマコロガシが、ころがしているたまを、とりあげて、ひとつひとつ、こわしてみました。・・・
たまごは、ひとつも、はいっていませんでした。
おもったとおりです。あの本にかいていることは、しんようできません。きっと、(たぶん、そうだろう。)くらいで、いいかげんに、かいたのでしょう。

パパと一緒にこの話を読んでいた上の子は、なんとなく聞き流している様子だったみたいです。本を中断して、パパが質問しました。
「インターネットに書いてあることは全部本当だと思う?何でも信じるの?」
「うん、だって本当だもん。」
「でも、ほら。本に書いてあったことが嘘だったんだって。本やインターネットで読んだものも、本当じゃないことがあるんだよ。」
しかし、そうおもっただけなら、さっきの本をかいた人と、おなじです。じぶんの目で、ちゃんと、みとどけなくてはなりません。

「ユーチューブで見たものだって本当じゃないかもしれないんだよ。噓を言うつもりがなくても間違えてしまうことだってあるしね。」
最近ユーチューブの話ばかりの子どものことを少し心配していました。

「どうしたらいいの?」
「ファーブルみたいに自分で確かめてみることが大切じゃない?もしできなくても、別の人がなんて言っているか調べてみるとか。そういうことを考えなくちゃ。」

ファーブル昆虫記の中には、本に書いてあることや他の人が信じていることをそのまま信用せず、ファーブルが自ら確かめる場面が幾度となく出てきます。

子どもたちはインターネットなどいろいろなところから得た情報をそのまま信じてしまうようです(大人である私も、情報に振り回されていることがあるのでは、とはっとしますが)。情報を何でも鵜呑みにしていいのか、一緒に考えるきっかけになりました。


ファーブルの家まで行ってきました!

すっかりファーブル昆虫記が気に入った私たち家族は、この秋にファーブルの家まで行ってきました。

マルセイユから秋ののどかな南フランスをドライブし、セリニャンという小さな村にたどり着きました。その村にファーブルが晩年過ごした家があります。ファーブル昆虫記の大部分はここで書かれたそうです。


ファーブルの家の入口。




ファーブルの家。記念館になっていて、収集した標本などが展示されています。


 ファーブルが昆虫観察をした庭をずっと散策していました。木や草花がたくさん植えられていますが、家のお庭の割には、手入れが行き届いている様子ではなく、いわゆるガーデニングから程遠い感じがしました。でもその方が、昆虫たちも暮らしやすいだろうし、植物ものびのびしているようにさえ見えます。ゆったりとした時間が流れていました。


庭の一角にタマコロガシの像がありました。


子どもたちもずっと庭を歩き回っていました。


ファーブルの本が、子どもの心にも残るものであったらいいな、と思います。


引用: 「新版ファーブルこんちゅう記1 タマコロガシものがたり」 小林清之介・作 横内襄・絵 (小峰書店)


野口由美子

2016年11月3日木曜日

ハロウィン翌日のゴミ問題(オランダ編)

日本でも、最近ハロウィンのイベントがたくさん増えたようですね。私が今住んでいるオランダも、日本と同じように、ハロウィンの習慣がない国です。近所の家に突然行って「トリック・オア・トリート!」なんてやりません。

アムステルダムの一角だけがハロウィン一色

ただ、アムステルダムの南エリアの一角だけ、ハロウィン当日は仮装をした人々であふれかえっています。私も初めて見た時は、何が起きているのかびっくりしましたが、個人が企画してやっているイベントだと聞いてさらに驚きました。

そこは、あるアメリカ人家族が中心となってボランティアの運営でハロウィンが開催されています。アメリカで盛大なハロウィンをオランダでもやろう、と、毎年メールと口コミで参加者を募り、南エリアでキャンディーを配る家を募集します。参加者は、子ども毎に参加費を払い、キャンディーの費用を賄います。当日は、決められた時間から、キャンディーをもらえる家が記された地図を見ながら、家々を回ります。




年々規模が大きくなり、今年は100件以上の家でキャンディーが配られていました。私の子どもたちは1時間半かけて歩き回り、獲得したお菓子は40個以上、子どもたちにとっては毎年楽しみなイベントです。

翌日、主催者から届いたメール

次の日になって、主催者から、参加者宛てにメールが届きました。ハロウィンイベントのエリアにお菓子の紙くずが散乱して、道が汚くなったため、ゴミ拾いを呼び掛けるものでした。
今年は過去最高の参加者があり、キャンディーを配るボランティアも地元のオランダ人がたくさん加わってくれたのに、ハロウィンが終わった後、街がこんなに汚くなってしまったら、どう思いますか?もうハロウィンに参加したくないと思われても仕方ないのでは?
子どもにとっていい機会になるだろう、と私は早速子どもを連れて、歩道のゴミ拾いをしました。



お菓子集めには熱心だった子どもも、ゴミ拾いはせいぜい10分で
「まだやらなくちゃダメ?ハロウィンはたくさん来ていたのに、みんなやっていないじゃん。」
とハロウィンの勢いは全くありません。
「ハロウィンをやって、こんなに道が汚くなったら住んでいる人たちは嫌でしょ。こんなだったら、来年からハロウィンできなくなるかもしれないよ。」
とりあえず、協力要請のあった50メートルの歩道のゴミを拾いました。子どもにわかってもらうには、実際にゴミ拾いをするのが効果的だったようです。



ゴミ問題はどこでも深刻?

あとで、今年参加した子のお母さん何人かとこのことを話してみたのですが、ゴミ拾いに積極的な人は少ない印象でした。多分来年からは翌日のゴミ拾いもハロウィンと一緒に最初から計画されて、ボランティアの募集があるのかな、と思いました。日本だったら、ゴミは自分で持ち帰ること!と呼びかけそうなものですが、そういう考えはあまりないようです。

日本でも渋谷などでハロウィン翌日に散乱していたゴミが問題になったと聞きました。アムステルダムよりも渋谷の方が規模も大きいので、そのまま比べられないのですが、来年のハロウィンはどちらの街がきれいか、見てみたい気がします。


野口由美子