2017年1月27日金曜日

算数が苦手、できない子。実は親の問題?

自分の子どもが海外の小学校に通うようになり、日本の教育との違いを日々感じていますが、算数については、日本の算数はレベルが高い、と実感しています。国際比較でも、日本は大抵理科と算数の順位が高いですが、親が見ていても、日本の算数は徹底していると思います。

掛け算の九九、暗唱できなくてもいい?

たとえば、日本だったら、小学2年の8歳で習う掛け算。イギリスのカリキュラムでは、5歳から授業で扱われます。早期教育のようですが、到達度はだいぶ違います。

最初の5歳の学年では「2, 4, 6, 8…」や「10, 20, 30, 40…」と数を数える形で習います。次の学年で、掛け算の式の書き方やその意味の理解に重点が置かれ、さらに次の年では9の段まで掛け算を暗唱する練習をします。しかし、ここで完璧に暗唱することは求められません。全部覚えられなくても、忘れてしまっても、翌年にもう一度習います。結局8歳になっても九九を暗唱できない子は結構いるみたいです。という具合に学習の進め方が違います。さらに、基本的な計算力を身につけるということよりも、概念を理解することに重点を置かれているので、ゴールも違います。

掛け算の九九くらいは暗唱できないと日常生活でも困るでしょ、と考える私のような日本人にとって、この算数は物足りないものです。

そんな感じなので、学校で開かれた保護者向け算数のワークショップには、特に何の期待もなく、何となく参加していました。でも、意外な発見がありました。


算数ができるか、よりも

「皆さんは算数が好きですか。」
ワークショップが始まり、最初に先生が私たちに聞きました。

「嫌いな人は?」

すかさず手を挙げる正直な私。私と同じように嫌いな人は多いだろうと思って、周りを見渡したのですが、手を挙げる人はまばら。

「では、好きな人は?」

多くの人の手が挙がりました。私は算数も数学も苦手で、昔から嫌いな教科なのですが、これには、内心驚きました。

1つの答えよりも、大切なことは

ワークショップの中盤で、参加者にそれぞれ小さいホワイトボードが手渡されました。先生は3つの計算問題を出しました。

1) 84+27=
2) 150-74=
3) 7x12=

「この計算をやってみましょう。」

私はそろばんも得意ではありませんが、頭の中で計算して答えをホワイトボードに書きました。書き終わってから、周りを見回してみました。多くの人たちは、まだ終わっていません。式を写したり、ひっ算の式を書いたりしています。あまり計算が得意でない人が多いようでした。でも、そんな人たちでも算数は好きなんだ、と私には新鮮なことに感じられました。

しばらくして、先生が再び話し始めました。

「今、皆さんはどうやって計算しましたか。計算の考え方を子どもと共有するとしたら、どうやって説明しますか。最初の足し算の問題だったら、十の位と一の位を分けて計算することもできますね。ひっ算を書いてみることもできますね。1つの答えを出すことよりも、いろいろなアイディアを共有してみてほしいと思います。」

先生から親へのアドバイス

子どもが算数を嫌いにならないために、どうしたらいいのか。最後に先生からこんなアドバイスがありました。

「子どもにとっては親がお手本です。最初、私は皆さんに算数が好きかどうかを聞きました。親がどう思っているのかということが、子どもに大きな影響を与えます。大人がまず日常生活の中で算数を楽しむモデルとなってください。難しい計算問題を解くことだけが算数ではありません。買い物や料理、工作や音楽も、算数の要素がたくさんあります。狭く考えないで、幅広く捉えてみてください。」

ママ、掛け算のやり方いくつ知っている?

ある日、上の子がこんな計算を書きながら、私に大きい数の掛け算のやり方を教えてくれました。



授業で掛け算の計算方法をいろいろ習ってきたそうで、嬉しそうに披露していました。

「このやり方もあるし、こっちの違うやり方もある。どれでも答えが出るよね。ママ、面白くない?」

問題に正解するのがうれしい、というところに算数の楽しさがあると思っていたのですが、息子はそれ以前のところで楽しさを見つけていました。私も算数が好きにならないといけないな、と反省してます。


野口由美子

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