2017年9月27日水曜日

早期英語教育はいらない論争、結論はこれだと思う

早期英語教育はいいか、悪いか。この論争、幾度となく繰り返されていますね。

私の子どもたちはバイリンガル教育なので(私自身は早期英語教育反対派だったのですが)、この話題はいつも気になり、いろいろな人の意見を聞いています。

その中で、子どもの学校で開かれたワークショップで紹介された本の主張が一番納得できるものでした。



Colin Baker, "A Parents’ and Teachers’ Guide to Bilingualism" (Multilingual Matters)

この本の主張は、

  • 子どもは生まれつき、2言語以上の複数言語を習得する能力を備えている
  • 赤ちゃんからでも、大人になってからでも、バイリンガル(または3言語以上)になれる
  • バイリンガルになるための適切な方法は年齢、環境、個人によって違う

というものです。気になる早期英語教育については、

幼児からのバイリンガル教育が効果的であるかについては、イエスであり、ノーである。

というのが著者の意見でした。 私も結論はこれだと思っています。

イエス、という理由は、幼い子どもは「自然に」複数の言語を習得することができる点を挙げています。それは習うというより、身につけるようなもので、走ったり、絵を描いたりすることと同じように言葉を学ぶことができるのは、子どもの強みとしています。

また、小さな子どもであるほど、発音を正確に聞き取ることができます。聞く能力は年齢とともに落ちてしまうので、大きくなってから外国語を勉強して、流暢に話せるようになったとしても、母語のなまりが残ることになります。

ノー、という理由は、特に幼少のバイリンガルの子どもは言語の習得ペースがゆっくりになる、ということを挙げています。大人であれば、初めての外国語の授業でも、挨拶や簡単な会話などで使うフレーズをその日のうちに覚えることができるでしょう。でも、子どもは違います。新しい言語に触れて、初めて自分自身で言葉を発するまで、数ヶ月や1年かかって当たり前です。

早期教育の弊害、まさに体験しました


「子どもはスポンジのように言葉を覚える、というのはウソよ。」

とワークショップの先生に言われ、その通りだと思いました。たとえば、私の息子。言葉を話し始めるのが遅く、言語の発達がもともとゆっくりなタイプだったと思います。性格も積極的に前に出るタイプではありません。日本語だけでも遅いのに、早期英語教育には向いていない子だったと思います。

実際に今でも、話す英語は文法の正確さにかける部分があり、読むのも苦手、書くのもスペリングがいい加減になりがちです。日本語でも似たような状況。多分日本語だけでやっていれば、今の時点でもっと国語はできていたと思います。

日本での教育を考えると、やはり言語の習得が遅くなるというのは致命的なのことのように思います。改めて実感しているのですが、日本語は習得に時間がかかります。膨大な漢字を覚え、話し言葉ではあまり使わない熟語なども理解しないと読むこともできません。早期の英語教育より、日本語の習得が進んでから別の言語を勉強した方が効率がいいのではないかと思います。

それでも、早期英語教育がよかったか


でも、私にとっては英語教育って、そういうことだけではなかったです。いい大学に行ってほしい、とか、グローバルに活躍する人間になってほしい、とかじゃないのです。

息子は英語に苦労していますが、不自由な学校生活で、言葉もわからない弱い立場を体験したり、友達に親切にしてもらったり、自分とは違う人の気持ちを感じようとする子になったと思います。

日本語の環境だったら、彼は何ひとつ不自由なく生活を送っていただろうと思うと、言語の習得は遅れたとしても、彼の人生にとって意味のある経験だったと思います。

そして、世界の近さと広さを感じるのは英語が手っ取り早いと思います。今、彼がインターネット(主にユーチューブですが)で検索をするときも、英語と日本語両方を見ます。ひとつの言語だけでは得られなかった広い世界を見ることができるのが面白いようです。それだけでも、世界にはいろいろな人がいて、いろいろなことをやっているということを知ることができて、逆にアニメなど日本のコンテンツの良さを実感するようです。子どもだからって、日本語の世界だけに押し込めておくのはもったいないのが、今の世界かもしれません。

英語と日本語、まだまだ私自身も悩みながら、になりそうです。


野口由美子


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