2017年10月11日水曜日

日本より素晴らしい? オランダの教育、現実は

「オランダの教育って自由で素晴らしいって聞いた。」
「世界で子どもの幸福度1位のオランダだから、学校でも子どもは幸せなのでは?」

私自身、あまりよく知らなかったので、オランダの教育についてはぼんやりとそんな印象を持っていました。オランダに住むようになってから、実際に親として、先生として、オランダの教育に関わっている人の話を聞くようになり、

「確かに、オランダの教育には、日本の教育にはないものがある。でも、子どものいじめや先生の問題、学校の序列だってあるし、これが理想の教育ともいえないかも。日本の教育スタイルと比べると、伸びる子はどんどん伸びる一方で、そうでない子がすくい上げてもらえる機会が少ないことが残念。」

完璧な教育制度なんてない、結局、隣の芝生は青い、ということなのだろうと思います。


理想ではなかったけれど、完全に負けたと思ったこと


ちょうど先週、オランダの学校の先生に小学生向けのリーディング・テキストを見せてもらう機会がありました。最近は採用する学校が多くなり、「流行り」のテキストだそうです。




ウェブでの配信のみ、紙ベースで出版されている本ではありません。内容は、最新のニューストピック。その時々の出来事が取り上げられます。これは本ではできないこと、ウェブ配信の最大の強みかもしれません。

難易度は6つのレベルに分かれていて、一番易しいレベルは小学校3年生向けで語数も少ないのですが、一番難しいレベルになると、中学生向けくらいの新聞記事のような内容になります。実際の授業では、クラス全員でその年齢向けのものを全員で読むというよりは、子どものレベルに合ったものをそれぞれ読ませるのだそうです。

本文に続いて、本文に出てきた単語や文法の説明と問題、さらに内容理解のための読解問題が続いています。これらは選択式の問題が中心ですが、自分の意見を記述するライティングも用意されています。

すべて紙に印刷して使うこともできますが、タブレットやデジボード(電子黒板)での利用が基本のようで、先生向けの授業用マテリアルも用意されているそうです。

その時々のニュースを題材にした子ども向けの読み物が毎週配信されて、授業で読む。レベル別に文章が用意され、その子のレベル合わせた文章を読むことができる。自分の考えを文章で記述する練習もする。クラス全体で内容について話し合いもする。

日本の国語の授業はどうだろう、イギリスの授業はどうだろう、と考えると、唸ってしまいました。

今週のトピックは「先生のストライキ」


トピックもまさに旬のニュースが選ばれていました。

ちょうど先週のトピックは、その週に行われる予定の小学校の先生によるストライキの話でした。テレビや新聞でも大きく扱われているニュースです。

この教材では、
・労働環境の悪化
・低賃金
という2点を挙げて、先生がストライキを行う理由が述べられていました。

「学校で先生たちはこれを子どもと読んで、ストライキのことを話すんですよね?」

つい私は質問してしまいました。

「もちろん、そう。」

先生は当然でしょ、という顔で私を見ました。

「でも子どもたちは、学校休みだ、やったー、くらいにしか思わないかもしれないけれど。」

確かに完璧な教育制度なんてないのかもしれませんが、それを目指して絶えず議論し行動していて、そのことを子どもにもオープンにしながら進めようとしている、これは理想だ、とまた唸ってしまいました。


参考 CED-groep "Nieuwsbegrip"


野口由美子

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