2018年2月23日金曜日

あえて今、小学生に俳句。反応は?

今週は子どもの学校の読書週間でした。私も毎年読書週間を楽しみにしています。この時期に毎年、

「保護者による母国語での読み聞かせ」

があり、いつも面白い体験をさせてもらっています。

今年私は4回目。7歳から11歳の日本にルーツがある子たちに本を読み聞かせをします。対象年齢が広い上に、枕草子の冒頭を暗唱する子もいれば、日本語でほとんど意思表示することがない子もいるグループです。この時期はいつも、

「今年は何を読もうかなあ。」

と悩むのですが、それがまた楽しいです。

今年の読書週間は詩がテーマということでした。先生が授業でいろいろなスタイルの詩を紹介したそうで、

「先生が俳句を紹介していたんだよ! Haikuって、先生の言い方が日本語と全然違うから最初は何のことかわからなかったよ!」

と息子から聞きました。俳句が世界の有名な詩のひとつとして紹介されて、息子はうれしかったようです。

それなら、日本人たるもの俳句くらい知っていないと。今回の読み聞かせは「俳句」を選びました。


俳句の古典、名作はどう?


「俳句って知っている?」

集まってきた子どもたちに最初に聞いてみました。

「知ってるー。」

自信を持って知っていると答えた子は半分くらい。全く知らない子もいました。知らない子がいた場合に用意しておいた、「1年生で読みたい10分のお話」(旺文社)を取り出し、「はいくを学ぼう!」という章を使いながら、俳句の紹介をしました。


なの花や 月はひがしに 日はにしに     (与謝野蕪村)

「菜の花って知っている?」

「?」

ほとんどの子が無反応。菜の花はあまりオランダで見ることはないかもしれません。季節感を子どもに伝えるのはやはり苦戦しそうです。


青がえる おのれもペンキ ぬりたてか     (芥川龍之介

「ペンキ? ペンキだって!」

カエルを「ペンキ塗りたて」と表現したのが面白かったそうで、一番反応が良かったです。
名月を とってくれろと なく子かな    (小林一茶)

「名月っていうのはね、秋に見える一番きれいなまんまるい月のことだよ。取ってほしいって泣いている小さい子がいるんだね。」

子どもが月を取ってほしがっているという情景は子どもたちにも鮮明に浮かんだようで、私の説明で大きくうなずいている子がたくさんいました。

今のところ、子どもたちの様子は、「まあまあ。それほど面白くはないな」という感じの反応で手厳しい感じ。予想はしていましたが。


小さい子どもが作った五七五は?


私は、次に、

「これは昔の有名な人が作った俳句だけれど、今の子どもたちも俳句を作るんだよ。どんなのか、ちょっと読んでみるよ。」

かなり簡単なものでないと、親しみを感じてもらえないかも、と思った私は
NHK Eテレ「にほんごであそぼ」の「ごもじもじ」からいくつか紹介しました。季語が入っていないので俳句とは言いにくいのかもしれませんが、日本語の楽しさを伝えるには優れていると思います。


ばあばがね でんわのなかに すんでるよ (なおちゃん)

子どもたちは最初に出てきた作品との違いに、意表を突かれたような顔をする子、子どもらしい内容にくすっと笑う子もいました。

「気がついた? すごく小さい子が作ったんだよ。」

「3歳じゃない?」

そのほかにもいろいろ紹介しましたが、面白がってくれた俳句はこんな感じでした。


きょうのかぜ なにいろだろう きもちいい (るちあちゃん・5歳)

「風の色?」

「透明だよ!」


さかみちが はしらせるんだ ぼくのこと (けいくん)

「坂道下っているんでしょ。」

「これは4歳だな!」

作者の年齢当ても楽しいようで、いろいろ読んでいるうちに年齢当てに熱心な子が出てきました。しかもよく当てる。良い成績が付きそうな大人が喜ぶような感想はないのですが、いろいろな発言が出てきて盛り上がってきました。あまりの騒がしさだったのか、校長先生が様子を見にきました。そこで私は話題を変えることにしました。


小学生の俳句はすごい?


「みんなと同じくらい、もうちょっと大きい子たちの俳句もあるよ。読んでみる?」

私は、伊藤園お〜いお茶新俳句大賞から作品を選んで用意していました。小学生の部にはいい作品がたくさんありました。


名月が コップに入り のめないや (第25回 大阪府・福永 慶 9歳)

「これって、水が入ったコップに月が映ってて、水を飲んだら映っている月が見えなくなっちゃうから、もったいなくて飲めないってこと。」

一番年上の子が解説してくれました。みんなとても感心していました。

「さっきも名月の俳句があったよね。月を取ってほしいって泣いている子の。どっちが好き?」

コップの俳句の方が人気でした。


弟が わたしの顔見て 豆なげた (第25回 東京都・中里 乃彩 10歳

「知ってるよ、豆まきでしょ!」

「これ自分が鬼ってこと?」


ケシゴムが 私を見てる 夏休み (第26回 東京都・安部 未悠 9歳)

「わかるー。夏休みの宿題を全然やってなくて、消しゴムが宿題やれって言っているような感じがするってことだよね。」

もしかしたら全然俳句に興味を持ってもらえないかも、と私は心配だったので、他の読み聞かせの本も用意していたのですが、その本の出番はなく、好評のうちに30分の持ち時間が終わりました。


下手な鉄砲でも、と思いかなりの数の俳句を用意しました。


100年前の芥川龍之介の俳句も、現代の9歳の子の俳句も、同じように楽しめるものですね。短い時間でしたが、私も俳句の奥深さを感じました。機会があったら、子どもと一緒に俳句を作るというのもやってみたいですね。


出典: ごもじもじ @にほんごであそぼう_bot
    伊藤園お〜いお茶新俳句大賞


野口由美子

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