2018年3月23日金曜日

海外で子どもの日本語教育。「これ以上良い方法は知りません」と先生が勧めたこと

海外に住んでいる子のための日本語教育。日本語を話す環境や日本語を習得する意味、子どもの個性や能力もさまざまなので、その子自身に合った方法を見つけていくしかない、あまりにも問題が個別的なので、親の悩みは深いものです。

私たち家族のように一時的に海外に住んでいるに過ぎない場合はまだそれほど悩むことも少ないのかもしれませんが、海外に永住し、日常生活で日本語を使う機会が少ない家庭では本当に苦労しながら、日本語教育を続けている話を聞くことも多く、その努力は頭が下がる思いです。


日本語補習校の先生からのアドバイス


ちょうど先日、娘が日本語補習校の年長さんクラスを修了しました。補習校の学習スタイルはいろいろありますが、子どもたちの通う補習校は厳しいタイプ(日本の学習指導要領に準拠。ついていけないと判断されると留年)ではないかと思います。そんな補習校の年長さんクラスなので、先生もとても熱心でした。担任の先生はいつも明るく優しく、子どもたちに好かれていて、親からは絶大な信頼が寄せられていました。

その先生がクラス初日に言いました。

「家で是非、日本語の本の読み聞かせをたくさんしてください。日本語を身につけるのに、これ以上良い方法はまだ知りません。」

ちょうど私は平日校(ブリティッシュ・スクール)でも親が子どもと一緒に本を読むことは効果的という話を聞いたばかりだったので、この先生の言葉は印象に残っていました。やっぱりか、と。


読み聞かせは何冊?


毎週の宿題のひとつは「おはなしまらそん」です。読んだ本を記録していきます。


「おはなしまらそん」には、読んだ数だけ先生がスタンプをくれます。


寝る前に本を1冊か2冊読んであげる、というこれまで私がやっていたことをそのまま続けて、「おはなしまらそん」を記録していました。

毎日少しずつ続けていければいいだろう、という淡々とした「おはなしまらそん」でしたが、夏休みを過ぎて、大きな変化がありました。


もっと本が好きになる


補習校で使うことができた日本人学校の図書室が整理のために閉鎖され、その代わりにクラスの有志の親同士が自宅の絵本を持ち寄って貸し借りが始まったのです。

各家庭からおすすめの絵本が集まり、誰もが知っているロングセラー、隠れた海外名作の翻訳などなど、私も毎週7, 8冊くらい借りました。

この貸し借りが始まってから、急に娘の絵本に対する態度が変わりました。今までも絵本を読んでもらうのは好きでしたが、

「これも! これも! 今日読んで。」

今まで以上にたくさん読みたがるようになりました。借りてきた本は一晩で一気読み。借りてきた本が終わってしまうと、自分の本棚からあまり読んでいなかった本を取り出して、

「もっと読みたい。これも読んで。まだ眠くないから!」

読みたい絵本の選り好みが激しく、気に入らない本は見向きもしなかった娘が、いろいろな本を選ぶようになりました。

そして「おはなしまらそん」のペースが急に上がりました。毎月読む本の数が15冊以上増えていきました。絵本の貸し借りが続いている間、ペースは全く落ちませんでした。


子ども同士の関わり合いにも


「〇〇くんの本を読んだ。おもしろかった。」

と子ども同士でも借りた本のことを話すようになり、友達の本を読むのは子どもにとっても特別な体験だったようでした。友達と共通の話題ができるというのもよかったと思います。

私も他の子におすすめしたい本を選んで毎週持って行きました。貸し借りをやっていた5ヶ月ほどの間にのべ70冊以上の本を他の子に貸すことができました。自分の子どもたちしか開くことがなかった本が、たくさん共有できたのも楽しかったです。自分の子どもが好きな本を他の子も気に入ってくれるというのはうれしいものです。

たくさんの本が身の回りにあることが、子どもにとってこんなに刺激になるのか、想像以上の効果でした。

日本にいたら、本屋さんで本を買ったり、図書館で借りたり、ということができたと思います。そんなことさえ難しい状況での苦肉の策だったとはいえ、友達同士での貸し借りというのがむしろ良かったと思います。

家にあるおすすめ絵本の貸し借り。もし、絵本が好きな子ども同士のグループがあったら、是非おすすめしたいです。


野口由美子

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