2018年4月19日木曜日

日本の小学校1年生、無理してない?

「小学校1年生の息子が学校へひとりで行けない。」

今から5年ほど前のことになるのですが、私が日本に住んでいた時のこと。イギリス駐在から帰国して間もない方から、日本でお子さんの小学校の送り迎えをしているという話を聞きました。その子は、すでにイギリスでは小学校に通っていたそうですが、親がいつも送迎していたこともあり、子どもだけで学校に行くことをいやがったそうです。


登校しぶり、親は「困る」? それとも?


私はその話を聞いて、

「それは大変ですね。」

という言葉をかけていました。その時私が思ったことは、

「急には無理なんだろうなあ。親がいつも付いて行くわけにもいかないだろうし、困るだろうなあ。」

というようなことで、日本と海外では学校生活もいろいろ違いがあるだろうし、うまく慣れることができないと困る、と感じました。

しかし、他の方がかけた言葉は、私と全く違うものでした。

「そうよね。親が一緒に学校に付き添えばいいわよね。」

私が「困る」と思っているのに対して、親が困るほどのことではない、と逆のことを言っているように聞こえました。

当時の私はその言葉に違和感がありました。周りのみんなができていることを自分だけできないとしたら、子ども自身だって困っているのではないだろうか。小学生の親が学校に送り迎えしていたら過保護にならないかしら。

この違和感はずっと私のどこかで引っかかっていたのですが、その後打ち消されていくことになります。


日本の小学校1年生、急すぎる親離れ?


「日本の小学校1年生ってハードル高すぎない? 子どもだけで学校に行ったり、放課後出かけたり。なんであんなに急に親から離れなくてはならないのかしら。子どもにとっても親にとっても、そんなに簡単なことではないと思う。」

日本で子育て経験のあるフランス人の友人が言いました。

フランスでは、7歳の子がひとりで学校に行くのはあり得ないことだそうです。日本の登下校の光景を見て、日本の安全、治安の良さに感心しつつ、7歳の子にとって小学校入学が高い「ハードル」になっているように感じ、戸惑ったそうです。


小学校1年生がひとりで登校、あり得ない


親が小学校に送迎しなくて当たり前、と思っていた日本での私ですが、小学校へ親が送迎するのが当たり前、という国に実際に住んでみて、ようやくその「ハードル」の意味がわかりました。

今住んでいるオランダも、小学校は親の送り迎えが必須です。特に法律などのルールがあるわけではないのですが、当然のこと、となっています。家から学校が見えるくらいの近所でも、しっかり親が送り迎えしています。のどかで治安も良く、交通量の少ない住宅街でも親が一緒。安全上の理由だけではないようです。(仕事で親が送迎できない場合は、学童保育付きのサービスを利用したり、シッターに送迎を頼んだりしているそうです。)

ゆっくり自立、子どもの気持ちが中心


10歳くらいから、だんだん、ひとりで学校に通う子が出てくるそうですが、それはその子次第。子ども自身が親と一緒に学校に行きたいのであれば、小学校卒業までずっと親と一緒に登下校する、というのが基本スタンスのようです。

毎朝、オランダで子どもの送り迎えしているわけですが、小学校高学年くらいの子が父親や母親と一緒に自転車に乗って学校に来たり、学校の入り口で親子がハグしたりしている様子を見ます。ひとりで来る子もいるけれど、親と一緒の子もいる。

日本との文化の違い、を感じますが、それ以上に、今の時代だからこそ、子どもは時間をかけてゆっくり自立していけばいいのではないか、と思えてきました。みんな一斉に1年生になるけれど、子どもの成長過程は、みんな比べようがないくらい違うもの。そういうものだと、私が本当に理解できたのはつい最近です。5年かかりました。


子も親もマイペース


今なら子どもに、

「学校に行きたくない。ママと一緒にいたい。」

と言われても、それは「困った」と思わなくなりました。

「そうだよね。行きたくないって気持ちになることだってあるよね。」

学校に行くということだけでなく、学校で過ごす時間、先生のこと、友だちのこと、子どもにだって特別な悩みがあったり、ただ漠然とした不安があったり、朝はそういうネガティブな気持ちが大きくなるのかもしれません。いつも前向きな気持ちでいた方が幸せだろうけど、前向きになれなくても、その気持ちを否定してはいけないと思うようになりました。

最初からハードルが越えられなくても、まだまだこれから、子どもには子どものペースがあると思って、そういう日は学校に行く前に子どもの話を聞いたり、私もその日に作ったお弁当の話をしたりしています。

そういう朝の時間は意外と楽しいです。いつもの慌ただしい朝から私自身も逃避しているような気持ちです。もっと早く気付けていればよかった、と思いますが、子どもたちもまだまだこれから、マイペースで私も一緒に進んでいこうと思います。



オランダでもきれいな桜が咲きました。


野口由美子

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