2018年6月28日木曜日

いじめ? ふざけているだけ? 悩む前にやるべきこと

時々、私は娘に

「学校に行きたくない!」

と泣かれてしまうことがあります。親も子どもにそう言われると悲しいし、困ってしまうものです。私も初めて言われた時はショックでしたが、この3年くらいはずっと、時折そんな朝があります。対応する私にとっていいことなのか悪いことなのか、慣れてきてしまった気がします。


それはいじめ? ふざけているだけ?


この1年くらいは、

「〇〇がいじめる。」

だから学校に行きたくない、と言われることが多かったです。〇〇に入るのはクラスの男の子の名前で、特定の数人が入れ替わりながら、定期的にこのセリフが繰り返されてきました。

「小さいからYear 1(ひとつ下の学年)にいればいいって言われた」

「女の子なのにひげがあるって言われた(娘の髪は真っ黒で、髪の毛同様に産毛も黒く鼻の下の産毛が目立ってしまうので、そのように言われたようでした)。」

いくらでもこのような話が出てくるので、からかうネタには事欠かないようでした。

その男の子たちは、元気で、頭の回転が早く、口も達者。娘は、大人しくて体が小さくて、私から見ても、男の子がからかってみたくなるようなタイプです。娘がからかわれている様子が目に浮かんできます。

でも、わざわざ放課後に娘を家に呼んで一緒に遊んでいるような友達でもある子たちだったので、仲が悪い者同士のケンカでもないようです。男の子は、悪気もなく、無邪気な気持ちでやっているのだろうと思いました。

「やめてって言ってもやめてくれない。また言う。」

娘に、男の子はふざけているだけだから気にしなくていい、と私は言っていました。でも、実際に本人はずっと気にしていて、嫌な気持ちであることを訴えているので、納得できないようです。

男の子たちに直接私から伝えるか? と考えましたが、いじめているつもりはないと言い張ってくるであろう男の子を理解させる自信はありませんでした。

先生や男の子の親に話すのもこじれそうでちょっと怖いです。娘が気にしすぎている部分もあると思っていたので、もし自分が男の子の親の立場だったら困惑するだけかも、という気がして、いい方法には思えませんでした。

いじめなのか、ふざけているだけなのか、人によって感じ方は違うものだし、見方によっても変わります。判断は難しいものです(判断が難しくても、本人が嫌ならばそれはやはりいじめだと思うので、ここでは「いじめ」と呼びますが)。


いじめのメカニズムを知る


そんな時、友人が教えてくれた動画を娘と一緒に観ました。この動画ではいじめが起きるメカニズムを説明し、いじめをやめさせる方法を伝授しています。





講師であるブルックス・ギブスさんがいじめられる役になるロール・プレイを観て笑っていた娘ですが、いじめのメカニズムについての説明は難しく、よくわからなかったようでした。

何か嫌なことを言われたら、

「ありがとう。」

「そう言ってくれてうれしいな。君はいい人だね。」

というようなことを言い続けてひたすらやり過ごせばいい、という動画のメッセージを一緒に話し合って確認しました。


自力でいじめを止めた娘


ついでに、私は娘に、息子に向かって実践するようにアドバイスしました。息子も娘をからかうひとりです。

「You are so ugly! (ブスだね)。」

そんながっかりするような幼いセリフで妹を怒らせては喜んでいる兄に勝てるかも、と私は思って見守っていました。

Thank you (ありがとう)。」

娘は定型文で返しました。

You are so smelly! (体から変な匂いがする)。」

Are you poo!? (うんちみたいだよね)。」

兄からはいくらでもセリフが出てくるので、最後には妹が、

Stop it! (もうやめて!)」

と結局泣き出し、負けてしまいました。

動画の説明では、こうして人がいやがるような言葉をかけることを支配行動 (Dominance Behavior) といいます。その言動にのせられて怒ったり、悲しんだり、感情を露わにすることは、いじめっ子の勝利を意味します。言われた側は動じることなく受け流すようになると、いじめっ子は面白くないのでいじめを止める、ということでした。

娘には難しいかも、とこの時思いましたが、何度か忘れた頃に動画を一緒に観て、兄に向かって実践させ、学校でも同じようにやるようにと繰り返しました。

「これってDominance Behavior (支配行動) なんでしょ?」 

ふと娘が言いました。だんだん娘もわかってきたようで、娘は、嫌なことを言われても冷静を保てるようになっていました。私にこういうこと言われたけれどどう? と確認してくるようになりました。そう言われてどうしたのか聞くと、

「知らん顔した。」

気がつくと、息子が娘に嫌なことを言う場面もほとんどなくなっていました。娘が怒ったり泣いたりというような反応をしなくなったので、面白くなくなったようです(でも、娘が息子に対して嫌がらせをするという逆のパターンは減らないので、ケンカはなくならないのですが)。

そして、

「いじめられるから学校に行きたくない。」

と娘が言うことはなくなりました。彼女の中ですべてが解決したわけではないようですが、少し彼女は強くなれたみたいです。

もし、子どもがいじめられているかも、精神的な嫌がらせにあっているかも、と思い当たることがあったら、ぜひ観てほしい動画です。


野口由美子

0 件のコメント:

コメントを投稿